「ヤバすぎる」日産---11年ぶり赤字転落、期末は無配当[新聞ウォッチ]

日産自動車の主要市場販売実績
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気になるニュース・気になる内幕。今日の朝刊(朝日、読売、毎日、産経、東京、日経の各紙・東京本社発行最終版)から注目の自動車関連記事をピックアップし、その内幕を分析する新聞ウォッチ。…………

日産自動車の幹部社員から新年に届いた賀状に「ヤバい」と何かを暗示するような一言が添えられていたが、その”予知夢”が現実の数字になって表れ始めたようだ。

日産の内田誠社長が就任後初めて発表した2019年10~12月期の連結決算は。最終損益が260億円の赤字となり、リーマンショック時の08年10~12月期以来、11年ぶりの最終赤字。今期の純利益予想も前期比80%減の650億円に下方修正。期末の配当もゼロとして年間配当は中間配当のわずか10円と前期の57円から大幅減配となる。

きょうの各紙も「日産、11年ぶり赤字転落」などのタイトルで、日産の業績悪化が深刻で危機感がヒシヒシと伝わるような内容の記事が際立つ。このうち読売は1面準トップで「日産260億円最終赤字」と報じたほか、経済面のトップ記事でも「主力市場の北米での不振に歯止めがかからず、中国市場も新型ウイルス拡大の影響が見通せない」として「業績回復のため、追加リストラ策の取りまとめを急ぐ」とも取り上げた。

内田社長は会見で「足元の台数減、それに伴う業績が残念ながら想定以上に悪化している」などと、声を枯らしながら述べていたが、追加のリストラ策を発表するのは3か月も先の5月ごろという。稼ぎ頭の中国事業も新型コロナ肺炎の終息のめどもつかず、業績回復の展望は見通せない。「再建の道のりは一層、険しくなっている」(産経)などと指摘するように、「ヤバい」を通り越して「ヤバすぎる」ほどのきびしい状況がしばらく続きそうだ。

2020年2月14日付

●新型肺炎、神奈川80代女性死亡、国内初、中国渡航なし(読売・1面)

●日産260億円最終赤字、10~12月期、11年ぶり(読売・1面)

●楽天8年ぶり最終赤字、携帯、物流投資かさむ(読売・8面)

●電通最終赤字808億円、19年12月期、上場以来最大(読売・9面)

●中国新車販売18%減、1月194万台(読売・9面)

●あおり摘発9割高速道、昨年1.5万件「ながら運転」大幅減春(読売・32面)

●三菱自が5.8万台リコール、UDトラックは1.4万台(朝日・31面)

●ガソリン価格3週連続下落(毎日・7面)

●川重社長に橋本氏昇格、6月、金花氏は会長に(産経・10面)

●自動車6社純損益悪化、米中貿易摩擦で販売低迷(東京・7面)

エアバスの年次報告エアバスの年次報告●エアバス「敵失」も赤字転落、生産遅延、受注にも陰り(日経・14面)

日産リーフUK仕様日産リーフUK仕様●ウーバー向けEV拡販、日産、英で2000台を購入優遇(日経・15面)

●私鉄大手、8社が営業増益、4~12月(日経・19面)

《福田俊之》

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