JR西日本が開口部を移動できるホームドアを開発へ…ドア位置や数が異なる車両に対応

フルスクリーンホームドアの試作機。すでに3ユニット分が登場。黒い部分が親扉で、子扉は親扉の裏側に隠され、開口が自在に制御される。
  • フルスクリーンホームドアの試作機。すでに3ユニット分が登場。黒い部分が親扉で、子扉は親扉の裏側に隠され、開口が自在に制御される。
  • フルスクリーンホームドアの動作イメージ。3扉の近郊型から2扉の特急型まで、マルチに対応することが目指される。
  • フルスクリーンホームドアの安全装置の概要。
  • 大阪駅北側のうめきた開発エリア。この地下に「うめきた(大阪)地下駅」が新設され、フルスクリーンホームドアの導入が計画されている。

JR西日本は11月20日、開発に着手した世界初となるフルスクリーンホームドアの概要を明らかにした。

これは、旧梅田貨物駅の地下に建設されている東海道本線支線(梅田貨物線、おおさか東線)上の新駅「うめきた(大阪)地下駅」(仮称、いわゆる「北梅田駅」もしくは「うめきた新駅」)での導入を目指したもの。

2023年春に開業する予定の「うめきた(大阪)地下駅」は、2031年に開業する予定の「なにわ筋線」も乗り入れることになり、ドアの位置や数などが異なる車両が発着することを考慮すると、従来の車種を統一してホームドアを導入する手法が困難になる。

JR西日本が導入している昇降式ホーム柵や各メーカーが開発している新型ホームドアでも対応が困難なため、車両に応じて開口部を移動できるフルスクリーンホームドアの開発・検証が進められるようになった。

ひとつの親扉と両側に配置された2つの子扉が1組となったユニットを左右に動かすことで、入線する列車の車種や編成に応じて自在に開口する仕組みになっており、車両1両は5ユニット分に相当。すでに3ユニット分の1次試作機が登場している。

車両・編成の判別には、2Dセンサーによるセンシングと、車両に搭載されたIDタグを利用。ユニットの上部にはマシンケースが設けられ、そこに駆動部や配線を収納することで、扉部をスリム化する。

また、安全対策として、モーター過負荷検知機能や2Dセンサー、3Dセンサーを設置することで、旅客のホームドアとの衝突やホームドアと車両間の取り残しを防ぐとしている。

《佐藤正樹(キハユニ工房)》

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