日野自動車は東京モーターショー2019において、暮らしを最適化するコンセプトモデル「FlatFormer(フラットフォーマー)」を世界初公開した。
フラットフォーマーはこれまでの人やモノを移動させるだけのクルマとは違い、生活をより豊かにするサービスを移動させることを可能にする新しいモビリティだ。ベースとなる全長4700mm×1700mm×335mmの動力部分に、サービスに応じて異なるボディを載せることでサービス形態を変えることができるという。
日野プラットフォーマー(東京モーターショー2019)
日野自動車のデザイナー、関口裕治さんは「これまでサービスは建物などの空間に固定され、サービスを受けるためにはそこに出向く必要がありました。フラットフォーマーによってサービスが動力を手に入れることで、その制約から解放されます」と説明。天候やイベントの予定などからニーズを予測して、自ら必要とされる場所に移動することもプラットフォーマーなら実現できる。
また平たい動力部分のおかげでサービス空間として使えるスペースを大きくとることもでき、ボディ形状の自由度も高まっている。バスやトラックはもちろん、カフェのような移動販売車にすることも可能だ。
日野プラットフォーマー(東京モーターショー2019)
簡単に脱着できるボディによって、朝、昼、夜と時間帯によってサービスを変えることも容易になる。サービスを提供する側にとっても、プラットフォーマーを使えば新しい業務形態を作り出すことだって難しいことではないだろう。
また駆動用モーター、ブレーキ、サスペンション、ステアリング機構を一体化することで動力部分をコンパクト化。走行性能や乗り心地の向上、メンテナンス性のアップにもつなげている。
日野プラットフォーマー(東京モーターショー2019)
日野自動車の下義生(しも よしお)社長は、「商用車は物流や輸送を担い、経済や生活を支えています。今後商用車、働くモビリティはインフラとしてさまざまなサービスを提供していくプラットフォームになっていくと考えています」と語る。
日野自動車の考える未来のプラットフォーム「フラットフォーマー」は、街を活性化させ、より快適で豊かな社会を迎えるために不可欠なモビリティになる可能性を秘めているように感じた。