トヨタ 寺師副社長「この10年がヤマ場で、今こそ協調の時」…電動化技術特許を無償提供

トヨタ自動車 寺師茂樹 副社長
  • トヨタ自動車 寺師茂樹 副社長
  • トヨタ・プリウス
  • トヨタ MIRAI と水素ステーション(参考画像)

トヨタ自動車の寺師茂樹副社長は4月3日に名古屋市で記者会見し、同社がハイブリッド車(HV)などで培った車両電動化技術の特許を同日から2030年末まで無償提供すると発表した。

モーターやPCU(パワーコントロールユニット)、システム制御などの電動化分野でトヨタが世界で保有する特許約2万3740件が対象となる。バッテリーの特許については、開発途上にあることからも対象から除外している。15年から実施してきた燃料電池車(FCV)に関する特許の無償提供についても、期限を20年末から30年末まで延長した。

また、トヨタのモーターやPCUなどパワートレーンシステムを導入し、HVや電気自動車(EV)、FCVなどの電動車両を製造・販売する企業には、有償で技術サポートも実施することを決めた。燃費や出力性能、静粛性といった車両全体のチューニングなどに関するアドバイスを行う。要員などそのための体制も順次、強化していくという。

寺師副社長は今回の方針決定について「ここ数年で、多くの企業や自治体から当社の電動化技術の利用について問い合わせをいただくようになった。電動車両の普及に向け、技術のシステムサプライヤーとしてもCO2(二酸化炭素)の削減などに貢献していきたい」と説明した。

特許の無償提供や技術サポートの強化決定がこのタイミングとなったことについては「欧州などグローバルでの環境規制の強化により、これから10年で電動車両は普及が加速し、普通のクルマになっていく。今こそ、(他社との)協調に取り組む時期が来た」と強調した。また特許の無償提供期間を10年余りとしたことについては「この先、10年が電動化のヤマ場と考えたからだが、その先はまた考えていけばよい」と、延長にも含みをもたせた。

また、電動化技術の基盤について「HVは賞味期限が来てしまったと言われることもあるが、電動化のコア技術はHVで培ったモーター、バッテリー、PCUであり、PHVを含むHVもEVもFCVもこれら3つの技術で構成されている」と指摘、トヨタが生産量や技術蓄積でトップを走るHVが幅広い電動化にも貢献するとの見解を示した。

さらに、技術の開放はあくまでも電動車両の普及に重きを置いたもので、「(市場)規模の拡大によるコスト低減は、(協力する企業など)みんなと分け合っていきたい。トヨタが単独で儲けようとは私は考えていない」とも述べた。

《池原照雄》

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