【DS 7 クロスバック 試乗】542万円の価格も、パリのエスプリと思えば致し方なし…中村孝仁

ホントすみません。少々舐めてました。

DSブランドのフラッグシップモデル、『DS 7 クロスバック』がデビューした。EMP2と呼ばれるプラットフォームを用いた5人乗りSUVである。

試乗記 輸入車
DS 7 クロスバック(グランシック・リボリ)
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ホントすみません。少々舐めてました。


DSブランドのフラッグシップモデル、『DS 7 クロスバック』がデビューした。EMP2と呼ばれるプラットフォームを用いた5人乗りSUVである。

そして搭載されるエンジンは、1.6リットルピュアテックガソリンターボと、2リットルブルーHDiのターボディーゼル。事前知識としてここまで聞いた時に、あっプジョー『3008』のDS版ね…という短絡的な思考が働いて、そういうクルマという予備知識を持ってプレゼンテーションを聞いてしまった。

ところが、最初に驚かされたことは3008に対して全長で140mm、全幅で55mmも大きなサイズを持っていながら、それでもCセグメントだということ(うーん、サイズ的には無理があるなぁ)。そしてアクティブスキャンサスペンションと呼ばれる、従来シトロエンが使っていたハイドロ系のサスペンションに代わる新たな技術を搭載した初のクルマであること。

さらにオプションだが、ナイトビジョンを装備するうえ、アダプティブACCであるDSコネクテッドパイロットを備えるなど、いやいや、相当にグレード高いじゃない?という印象に変わり、さらに試乗をした結果、これは確かにEMP2ベースのクルマだけど、同じSUVのプジョー3008とは完全に別物だということが判明した。ホントすみません。少々舐めてました。

華やかなフランス車イメージを引き継ぐ


ダッシュセンター上にあるスターターボタンを押す。するとそのすぐ上にある時計がグルリンパッという感じで立ち上がってくる。これ、何とBRMの時計である。ご存知だろうか。ベルナール・リシャール・マニファクチュール。BRMの略で、間違ってもかつてのF1マシンBRMではない。新興時計メーカーだがフランス色を前面に押し出し、DSとは強いつながりを持つブランドである。

そしてオーディオ。フランスのフォーカルが使われている。これも新興のオーディオメーカーだが、フランスらしい拘りの強いブランド。これにリボリだの、オペラだの、バスティーユだの、そのグレード名もフランスらしさに拘りを見せる。そしてどことなく華やかな雰囲気を作り出すインテリアの仕上げ感。これ、完全にパリを意識した印象で、フレンチ好みにはたまらないかも…である。

昔、フレンチと言えば、シトロエン『2CV』やルノー『キャトル』のような、チャチで質素。華やかさのかけらもないモデルに日本でも人気があったが、例えばルノー『サンク・バカラ』のようなちょっと華やかなモデルにも人気があって、DS 7 は後者のイメージを引き継ぐものといえよう。

「ハイドロ系」を彷彿させる乗り味


ドライブトレーンこそ、ピュアテック1.6リットルガソリンターボと8速ATの組み合わせであるから、基本的には3008と大きな違いはないのだが、チューニングはパワーで45%アップの240ps、トルクで25%アップの300Nmだからぐっと力強い。それよりなにより、乗り出してすぐに石畳路が少しある試乗会場を通過すると、そこから入力される路面からの情報が、他のクルマとは少し違っている。

このクルマ、前述したようにアクティブスキャンサスペンションと名付けられた足を持ち、カメラによって前方を監視して路面状況に合わせて4輪のダンパーを瞬時に調整するという。ただし、これが機能するのはコンフォートモードの時だけで、車速13~130km/hに限られる。また、雨、夜間、雪では作動しないそうで、まだまだ完ぺきではないが、これが働いた時の乗り心地は確かに昔のハイドロ系を彷彿させる。と言ったら少し大げさすぎるかもしれないが、少なくともその方向性のセッティングをしていることは確かで、モードを切り替えてスポーツやノーマルにするとやはり若干硬くなる。

ダンパー全体の躾け具合はすこぶる快適で、ロングツーリングするには非常に良いのでは?という印象を受けた、そして何より実に静かな空間が支配する。お値段はかつてないほど高い。試乗車の「グランシック・リボリ」の場合、素の値段が542万円だから、これまでのDSのみならず、日本で販売されるPSAの各ブランドの中でも最も高いクルマとなった。まあ、パリのエスプリと思えば致し方ないか。

■5つ星評価
パッケージング:★★★★
インテリア居住性:★★★★★
パワーソース:★★★★
フットワーク:★★★★
おすすめ度:★★★★

中村孝仁(なかむらたかひと)AJAJ会員
1952年生まれ、4歳にしてモーターマガジンの誌面を飾るクルマ好き。その後スーパーカーショップのバイトに始まり、ノバエンジニアリングの丁稚メカを経験し、その後ドイツでクルマ修行。1977年にジャーナリズム業界に入り、以来40年間、フリージャーナリストとして活動を続けている。 また、現在は企業向け運転講習の会社、ショーファデプト代表取締役も務める。
《中村 孝仁》

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