4日、全日本スーパーフォーミュラ選手権(SF)に来季から実戦投入される予定のニューワンメイクマシン「SF19」のメディア向け発表会が富士スピードウェイであり、シェイクダウンテスト(初日)も始まった。ホンダエンジン搭載車で野尻智紀が走行している。6月にイタリアのダラーラ社でラインオフし、現地での動作確認テストを終えたSF19が日本に上陸。今回のシェイクダウンテストは2日間の日程で、ホンダエンジン搭載車が走行に臨む。ドライバーはイタリアでも同車の走行を担当した野尻智紀。富士のピットにはダラーラやホンダ、そしてSFのオフィシャルタイヤサプライヤーであるヨコハマの関係者らとともに、野尻が所属する「DOCOMO TEAM DANDELION RACING」のエンジニアやメカニックが参集し、走行オペレーションを担当している。初日午前は生憎のウエットコンディションとなったが、9~11時の2時間の走行セッションで野尻はピットインを繰り返しながら20周を消化し、ウエット路面でのストレート最高速は286km/hを記録、ベストタイムは1分39秒472だった(タイム比較に意味はないが、SFのコースレコード比で約120%)。午前の走行後、野尻は「状況が状況でしたし、空力性能の出方とかを探り探り走っている段階です。そのなかでなるべく(多くのことを)フィードバックできるように意識して走りました」と語り、ベストタイムについては「状況のなかでそれなりに攻めてはいましたけど、(まだ)速くないタイムだと思いますよ」と付け加えている。今はとにかく走り出したばかり、初日午後~2日目を終えた段階で彼の感触がどのようなものになるのかを楽しみにしたい。午後の走行セッションを前に、12時からはメディア向けの発表会も実施された(トヨタエンジン車も展示)。ダラーラ社のSF19プロジェクトリーダーであるファビオ・グリッパ氏は「F1のトレンドも取り入れつつ、よりオーバーテイクしやすい空力性能を求め、さらなる安全性も主眼に開発を進めた」旨を強調。現行車「SF14」からクイック&ライトのコンセプトを継承したSF19、その車両生来の軽さについても仕上がりに自信を見せた。なお、今季F1で採用されているコクピット防護デバイス「HALO」については、現状は非装着だが装着も可能となっており、今後、シリーズ運営団体であるJRPとも多方面の議論を重ねた上で装着するか否かを決める方針とのことである。また、ヨコハマのリクエストにより、SF19はフロントのタイヤ幅が現行型SF14のものより拡大されている。これについてヨコハマ側は「オーバーテイク促進のための旋回性能と敏捷性を向上させるのに有効」との見解を示した。フォーミュラカーの追い越し性能の追究という難問にダラーラとヨコハマがタッグを組んで挑んだともいえ、来季実戦での成果に期待が高まる(初日午前に使用されたレインタイヤはSF19用サイズで、溝も従来とは異なるもの)。シェイクダウンテストは明日(5日)まで行なわれる予定で、施設入場料(18歳以上1000円など)にて観覧可能。また、週末(7~8日)に富士で開催される今季SF第4戦ではSF19のデモ走行(8日)やピット内展示も予定されている。■SF19 主要諸元<シャシー>全長×全幅×全高:5233×1900×960(mm)ホイールベース:3115mm車体重量:660kg以上ギヤボックス:リカルド製6速パドルシフトシステムブレーキ:ブレンボ製キャリパー・カーボンディスクステアリング:KYB製電動パワーステアリングシステム前サスペンション:プッシュロッド、トーションバースプリング後サスペンション:プッシュロッド安全基準:2016年 FIA F1セーフティレギュレーションに準拠<エンジン>2000cc、直列4気筒ターボ(燃料リストリクター、オーバーテイクシステム搭載)出力405kw(550ps)以上(ホンダ、トヨタの2社が供給)<タイヤ>ヨコハマ F:270/620R13 / R:360/620R13<車載カメラ>SONY製 RX0(予定)
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