「人とくるまのテクノロジー展」の、黒を基調にしたマツダブースは常に来場者で埋め尽くされ、中になかなか入れないほどの賑わいだ。これにはマツダ関係者も驚きを隠さない。
「こんなに来場者が多いのは3年前に『ロードスター』を展示した時以来です。ただ、その時は開場したすぐの時間帯はそれほど多くなかったのですが、今回は開場と同時に人が集まっています」
マツダが今回展示したのは2つ。次世代のガソリンエンジン「スカイアクティブ-X」と『アクセラ』の骨格ボディだ。マツダ関係者によると、展示品についてはすべてデザイナーの監修が入り、展示品の置き方をはじめ事細かく指示が入るという。今回は本物感が出るようにと、わかりやすく色分けすることなく、そのままの状態で並べたとのことだ。
もちろんブース全体についても、デザイナー主導で木材をうまく利用し、シックに黒でまとめ上げている。ブランドイメージを大事にするマツダは、展示会もさまざまなところで気を遣っている。
来場者の関心は言うまでもなく2つの展示品で、多くの来場者をそれを舐めるように眺める。しかし、他社のブースとは大きく違うところがある。それは壁に貼られたパネルを熱心に読んでいることだ。
そのパネルにはスカイアクティブ-Xのガソリンエンジンをはじめ、スカイアクティブ ビークルアーキテクチャーのボディ、SPCCI(花火点火制御圧縮着火)などについての解説が詳しく書かれている。来場者の多くがそれを立ち止まって読んでいるのだ。そのため、一人当たりの滞在時間が長く、常に人で溢れかえっているなっているようだ。
「次世代技術をわかりやすく紹介したことで、技術屋に興味を持ってもらえたのではないか」と同社関係者は話していた。