【SUPER GT 第3戦】GT500決勝…ARTA NSXの野尻智紀&伊沢拓也がポール・トゥ・ウイン、鈴鹿でホンダが1-2フィニッシュ

モータースポーツ/エンタメ モータースポーツ
#8 NSX(先頭)はポール・トゥ・ウインを決めた。
  • #8 NSX(先頭)はポール・トゥ・ウインを決めた。
  • 優勝した#8 NSX。
  • GT500クラスの表彰式、中央左が野尻、右が伊沢。
  • 優勝した#8 NSX。
  • 決勝2位の#100 NSX。
  • 決勝2位の#100 NSX。
  • #100 NSXのジェンソン・バトン。
  • 決勝3位の#1 LC500。

SUPER GT第3戦「鈴鹿GT300km」は20日、52周の決勝レースを行ない、GT500クラスでは野尻智紀&伊沢拓也のARTAコンビがポール・トゥ・ウイン、ホンダNSXが1-2フィニッシュを達成している。

決勝日も鈴鹿は好天。この日は風も前日ほど強くなく(風向きは逆)、絶好のレース日和となった。もっとも、シビアなタイヤ戦争が展開されているSUPER GTでは、ちょっとした気象状況の変化で笑う陣営、苦しむ陣営が入れかわってくるので、あくまでレース“観戦”日和ということになる。それぞれの陣営によって、今日のコンディションが味方になるか、敵になるかは異なるのだ。

しかもこの日は、午後2時40分にパレードラップ開始予定だった決勝レースが、サーキットの計時システムの不具合により40分遅れの3時20分隊列スタートとなるハプニングが発生。40分の遅延はこれまた当然タイヤへの影響が小さくはないところで、この突然の条件変化に嫌われるようだと、その陣営はいい結果を出せなくなる。

そんななかでスタートを切った、久々の300kmフォーマットによる鈴鹿戦、序盤は比較的落ち着いた展開となる。GT500クラスではポール発進の#8 ARTA NSX-GT(野尻智紀&伊沢拓也/タイヤはブリヂストン=BS)、伊沢がリードを広げていき、13周で約10秒のマージンを築く。

後方でアクシデントが起き、セーフティカー(SC)が導入されたことによって伊沢のリードは帳消しになってしまうが、伊沢はリスタート後も首位を守って走り続け、レース距離半分やや手前の24周終了でピットへ、野尻にステアリングを託す。野尻は#100 RAYBRIG NSX-GT(山本尚貴&J. バトン/BS)の山本から激しいチャージを受けるが、これをしのいで走り抜き、野尻&伊沢の#8 ARTA NSX-GTは今季初、コンビ結成初の優勝をポール・トゥ・ウインで飾った。

#8 伊沢拓也のコメント
「少しでもマージンをつくって野尻選手に渡そうと、最初からプッシュしました。(SC導入で)10秒のリードが台無しになった時は、やっぱりこのレースは速さだけでなく運も必要だな、とあらためて思いましたね。でも、野尻選手に代わってからもいいスピードで走ってくれましたし、チームとホンダがいいクルマを用意してくれて、僕たちのクルマが今日一番速かったということが、勝利に結びついたんだと思います」

#8 野尻智紀のコメント
「(後半、背後に迫ってきた)山本選手はいつも力強いレースをする選手。絶対にあきらめないだろうから、僕も絶対にあきらめない、という思いで、最後まで自分自身の気持ちを強く持って走りました。チームのみんなの支えがあったから気持ちが折れることなく戦えましたし、チーム、ホンダ、伊沢選手と努力してきた結果(としてのポール・トゥ・ウイン)だと思います。みんなに感謝です」

今季、伊沢の移籍加入で新結成された野尻&伊沢の新ARTAコンビだが、「まだ数戦ですけど、すごくいいコンビネーションができていると思います」(伊沢)。3戦目で最高の結果を出したことで、今後の戦いに向けても(獲得ポイントに連動してウエイトハンデは増すが)弾みがつきそうな勝利であった。

2位は#100 NSX。山本&バトンは開幕戦以来2度目の2位で、ドライバーズポイントリーダーに浮上している。元F1王者、今季がGT500初参戦のバトンは「ハンデが厳しくなるから、ここから先は当面1点、2点をしっかり稼ぐことが大事になると思う」との旨を語り、チャンピオンシップの展開を睨んでいた。話題のコンビ、こちらも今後が楽しみだ。

決勝3位はレクサス勢最上位の#1 KeePer TOM'S LC500(平川亮&N. キャシディ/BS)、そして4位が日産勢最上位の#12 カルソニック IMPUL GT-R(佐々木大樹&J. マーデンボロー/BS)。5位に#36 au TOM'S LC500(中嶋一貴&関口雄飛/BS)が入り、タイヤ的にはここまでがBS勢となっている。

6位には今回トップハンデだった#23 MOTUL AUTECH GT-R(松田次生&R. クインタレッリ/ミシュラン=MI)が最後尾の予選15位から浮上して入った。これも見事なパフォーマンスといえ、#100 NSXに1点差のドライバーズランク2位と好位置をキープしている。ランク3位は首位から6点差の#1 LC500。

これで序盤3戦は、ホンダ2勝、日産1勝となった。レクサスが圧倒的に強かった昨季とは様相が異なり、3社接戦のなか、「ある程度はコース特性によって得意、不得意が(それぞれ)あると思います」(伊沢)というのが全体の戦況だ。そこにハンデも絡み、2018年のGT500クラスは今後もレース毎に違った戦局が展開していくことになりそうである。

次戦第4戦はシリーズ唯一の海外ラウンド、タイのチャン国際サーキットで6月30日~7月1日に開催される。

《遠藤俊幸》

【注目の記事】[PR]

編集部おすすめのニュース

特集