SUBARUのデザイン哲学を1冊に凝縮…カーデザインの手順や歴史も

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『スバルデザイン』
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『スバルデザイン』
スバルデザイナーが貫く哲学 継承とさらなる進化
著者:御堀直嗣
発行:三樹書房
定価:4104円(消費税込み)
2018年3月26日刊行
ISBN987-4-89522-688-2

SUBARU(スバル)の中期経営ビジョン、「際立とう2020」において、デザインの重要性が初めて明確に記された。本書はそのスバルデザインをデザイン部責任者のインタビューを交えながら詳細に語られている。

スバルというとどうしてもフラットフォーのエンジンや4WDシステム、あるいはラリーなどのモータースポーツで活躍するなど、どちらかというとメカニカルな部分に注目を集めがちだ。

しかし、中期経営ビジョン「際立とう2020」においてデザインの重要性が、同社の発展には必要と語られた後から、デザイン部長である石井守氏をはじめ、多くのデザイナーが前面に出てプレゼンテーションをする機会が増えてきた。また、そのデザイン自体も“DYNAMIC(躍動感)×SOLID(塊感)”というデザインテーマの下、統一性を持たせながらも、それぞれの個性を発揮させようという方向性が見えつつある。

そんなスバルのデザインについて、石井守氏をはじめとしたスバルデザイン部監修のもと、カーデザインの手順に沿ってスケッチから“クルマ”にどう成立させていくのかが多くのスケッチや写真とともにわかりやすく記されている。

また、スバルの歴史を振り返りながら、それぞれの時代のクルマとそのデザインについても述べられており、その中には、『アルシオーネSVX』とイタリアのデザイナー、ジウジアーロ氏との関係などの記述もあり、興味深く読むことが出来る。

さらに、石井守氏の人物像もその生い立ちに触れながらじっくりと語られている。ここを読むだけでも、現在のスバルデザインがどういう人物によって率いられているかがわかるので、これからの方向性を想像することも出来よう。
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《内田俊一》

内田俊一

内田俊一(うちだしゅんいち) 日本自動車ジャーナリスト協会(AJAJ)会員 1966年生まれ。自動車関連のマーケティングリサーチ会社に18年間在籍し、先行開発、ユーザー調査に携わる。その後独立し、これまでの経験を活かしデザイン、マーケティング等の視点を中心に執筆。また、クラシックカーの分野も得意としている。保有車は車検切れのルノー25バカラとルノー10。

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