日産とDeNAが実証実験する自動運転サービスで広がる可能性

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日産自動車とDeNAが始める「Easy Ride」
  • 日産自動車とDeNAが始める「Easy Ride」
  • 配車などは専用のモバイルアプリを利用する
  • 遠隔管制センターのモニターに映し出される映像
  • 日産自動車の西川廣人社長(左)とDeNAの守安功社長
日産自動車とDeNAは3月5日から約2週間、無人運転車両を活用した新しい交通サービス「Easy Ride(イージーライド)」の実証実験を横浜市のみなとみらい地区周辺で行う。そのサービスにはさまざまな可能性がありそうだ。

今回の実証実験では、約300組のモニター参加者に目的地の設定や配車などの基本サービスに加え、さまざまな乗車体験を提供するという。目的地は専用のモバイルアプリで設定するが、行きたい場所を直接指定しなくても、「やりたいこと」を音声で入力すれば、おすすめの候補地が表示され、その中から選ぶことができる。

例えば、「ケーキが食べたい」と発声すれば、複数のケーキ店が表示される。その中には割引クーポンを発行する店舗があり、そのボタンを押せばスマホにダウンロードして、実際に店舗で使うことができる。今回の実証実験では、おすすめのスポットや最新のイベント情報など約500件の情報が車載タブレット端末に表示され、店舗などで使える割引クーポンも約40件用意されているそうだ。

おそらく本格的なサービスが始まるころになれば、居酒屋などの飲食店、美術館などの施設、スーパーといったようにさまざまなところとタイアップする可能性が高い。その際、お客を連れて行ったら、運賃の一部を提携店舗が払うといったことも出てきそうだ。また、子どもの送り迎えや高齢者の足としても使えるだろう。

ただ、重要なのは言うまでもなく安全性だ。そのために走行中の車両の位置や状態をリアルタイムで把握できる遠隔管制センターを設置、両社の先進技術を融合させたシステムによる遠隔管制のテストも行うとしている。そのモニターにはクルマの周囲の様子をはじめ乗客の表情まで分かるようになっている。

また、新しい交通サービスに係わる省庁の規制緩和も重要だ。今回のサービスでは、各省庁も協力的とのことだが、日本の場合、新しいサービスに対して「前例がない」と言って反対するケースが多かった。そのため、なかなか認可が下りずに、他国に先を越されてしまう。今回のサービスについても、本格的な実用化が先延ばしにされる可能性もないとは言い切れない。

大きな可能性を秘めた日産とDeNAの取り組みだが、解決しなければならない課題もまた多いと言えそうだ。
《山田清志》

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