世にも不思議な…「高速道路」ではない「首都高」の謎【新聞ウォッチ】

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気になるニュース・気になる内幕---今日の朝刊(朝日、読売、毎日、産経、東京、日経の各紙・東京本社発行最終版)から注目の自動車関連記事をピックアップし、その内幕を分析するマスコミパトロール。

2018年1月22日付

●地球を読む、トランプ1年、「取引外交」米の信頼に傷(読売・1面)

●大砂嵐無免許容疑、追突事故「妻が運転」と否認(朝日・39面)

●交通の乱れ注意、23区積雪の恐れ、ピークは帰宅時間帯(毎日・30面)

●きょうから通常国会、働き方改革与野党攻防、自民「改憲3月には党方針」(産経・5面)

●首都高は「高速」にあらず? 60キロ以下制限が大半(東京・26面)

●日本の賃金、世界に見劣り、生産性の伸びに追いつかず、国際競争力を左右(日経・1面)

●ニュース一言、ポルシェジャパン 七五三木社長(日経・5面)

●知財立国は成ったか、自動車特許、数から質へ、自動運転・EV、溶ける境界(日経・11面)

●滑走路の痛み早期に発見、国交省が新システム(日経・30面)

ひとくちコメント

「名は体を表す」という言葉もあるが、周囲を見回すと名前と実態が伴わない「有名無実」のケースもしばしばみられる。1964年の東京五輪開催を機に、都内の渋滞緩和を目指し、突貫工事で急いで開通させた「首都高速道路」もその典型例だろう。

きょうの東京が最終面の「TOKYO発」の欄で詳しく取り上げているが、名前は「高速」。料金もかかる。違反車を取り締まるのも「高速隊」。それなのに高速道でないとは? と問いかけながら、その理由を探っているのが面白い。

記事によると、「首都高」を取り上げるきっかけとなったのは「首都高は『高速道路』ではありません」という警視庁が昨年末から、謎かけのような呼び掛けを道路上やネット上で続けているからだそうだ。

首都高の制限速度は大半が一般道と同じkm/hキロ以下で、都心環状線は50km/h以下だという。そこで高速道とは何なのかを詳しく解説。国土交通省などによると、「高速自動車国道」と「自動車専用道路」に分かれて、安全に走行できる構造として80km/hから120km/hを目安としているのが「高速自動車国道」。これに対し首都高など大都市の都心部や交通量の少ない山間部は60km/hと法令で定めているのが「自動車専用道路」という。

つまり、首都高は「自動車専用道路」となる。名前ばかりが「高速道路」として一人歩きしているらしい。東京の記事にはないが、例えば3号渋谷線と中央環状新宿線とが接続する「大橋ジャンクション」周辺などはいつも渋滞が発生しており、ドライバーの実感としては「首都低速道」とか「首都渋滞道」と勝手に思い込んでいる人も少なくないだろう。

《福田俊之》

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