【gogoro】電動スクーターのシェアリング、石垣島から始める理由とは?

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電動スクーターのシェアリングサービスは石垣市との提携によりスタートする
  • 電動スクーターのシェアリングサービスは石垣市との提携によりスタートする
  • 電動スクーターでのシェアリングの使いやすさを説明するgogoroのホレイス・ルークCEO
  • 台湾では2015年より車体を販売し、バッテリーのシェアリングサービスが認kじを呼んでいる
  • バッテリーの予約はスマートフォンであらかじめ管理される
  • 電動スクーター「Gogoro」で使われるバッテリー。オープンプラットフォームで他用途への転用も計画する
  • シェアリングサービスに使われる予定の第二世代「Gogoro2」
  • パワーソースはバッテリー2本。シート下にはヘルメットも入れられる
  • デジタル式メーターで斬新さをアピールする
パリやベルリンで電動スクーターのシェアリングサービスを手がける台湾のgogoro(ゴゴロ)社が、今年度中にも沖縄県石垣島で同様サービスをスタートする。住友商事と同社がそのための戦略的パートナーシップを締結し、そのスタートを石垣島とした理由とは?

◆台湾全土では累計3万4000台以上を販売

gogoro社は台湾・桃園市に本社を置くベンチャー企業で、設立は2011年。台湾では2015年より電動スクーター『Gogo1』を発売し、装備を少し落とした『Gogo2』を相次いで発売。バッテリー交換を含む扱いやすさや車体のデザインなどが評価されて、電動スクーターとしては異例の累計3万4000台以上を販売した。

台湾で成功した背景にあるのがゴーステーション(GoStation)と呼ばれる、ユニークなバッテリー交換ステーションの設置だ。電動で走る以上、常にどこかで充電する必要に迫られるが、登録ユーザーはこのステーションで使用済みのバッテリーを返却することで充電済みのバッテリーと交換できる。つまり、台湾では購入するのは車体だけで、バッテリーは基本的に定額制でシェアリングして使うことを前提としているのだ。

このステーションは台湾全土に約400カ所用意され、交換する作業も専用アプリで表示されるQRコードを読み込ませるだけ。充電済みバッテリーがステーションから自動的にポップアップされ、ユーザーはそれを取り出して車体に収める。この作業に要する時間は最短6秒で済むという。つまり、この簡便さが支持される大きな要素だったと言っていいだろう。

一方、パリやベルリンで展開する事業は、台湾のように車体を販売はせずに電動スクーターのシェアリングサービスとして2016年から17年にかけてスタートした。石垣島でのサービスもこれに倣う計画となっており、その実績を踏まえた上で日本国内の都市へ進出する計画だという。

◆なぜサービスのスタートが石垣島からなのか?

ただ、「なぜ石垣島からなのか?」という疑問も湧く。発表によれば、石垣島は観光客の増加に伴い、レンタカーの駐車場確保が難しい状況となり、さらにはレンタカー増加による排気ガスによる島内環境の悪化も懸念材料となっているという。電動スクーターであれば、それらの問題を解決する手段となり得る。gogoroの普及を担う住友商事は、その石垣市が目指す「新たな価値の創造による”持続可能な発展”を目指した島づくり」をサポートする一環としてgogoroの車両とステーションを活用する提携を市と結んだとする。

さらにもう一つ背景にあるのが急増する台湾からの観光客への対応だ。台湾の人たちにとってgogoroの電動スクーターは既に馴染みのあるものとなっている。これが石垣島にあれば、観光客の目にとまり一定数の利用者は得られるはずというわけだ。石垣市との提携による補助事業としての優遇も受けられ、ここで事業をまず成功させることを優先。その上で日本国内へ広げていこうという考えだ。

発表によれば2017年度中のサービス開始を目指し、車体は第二世代の『gogoro2』を採用。日本人が馴染みやすい50ccクラスに相当するものと、台湾で展開している125ccクラスに相当する2車種を用意。125ccクラスの方は2人乗りも可能だ。住友商事モビリティサービス事業部の緒方剛 副部長によれば、「車体は同一のものだが、電動スクーターなので制御によって対応する予定」だという。

運転免許証に関しては、日本人なら50ccタイプなら普通免許か原付免許で、125ccタイプなら小型二輪免許で運転はできる。外国人はジュネーブ条約加盟国であれば国外免許証とパスポートの所持で運転できるが、台湾はジュネーブ条約に非加盟。そのため台湾国内で発行された運転免許証とその和訳文が必要となる。その件について会場で担当者に聞くと「“特区”という区割りで和訳を免除できないか検討する必要はある」との回答だった。

もう一つ課題となりそうなのが、二輪車ということで乗車時にはヘルメットやグローブの着用が必要となってくることだ。肌に密着するだけに、シェアリングサービスでこれを行うには衛生面での問題も出てくる可能性が高い。緒方氏はこれについて「利用者がスマートフォンでステーションに訪れることが分かった時点で有人配置をする必要がある。利用者の利便性を損なわない方法を検討中で、そのためのコストなども踏まえて料金設定を考えたい」とした。
《会田肇》

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