首都高速道路会社、震災を想定した橋梁被害の復旧訓練を実施

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首都圏をマグニチュード7クラスの地震が襲い、首都高の橋梁に被害が出たという想定で復旧訓練を実施した。
  • 首都圏をマグニチュード7クラスの地震が襲い、首都高の橋梁に被害が出たという想定で復旧訓練を実施した。
  • 橋梁部に開きや段差が発生し、多数の車両が立ち往生。無人の状態で放置されている(容易に移動できない)という設定。
  • 最初に現場確認へ向かうのは橋梁技術系の社員。パトロールカーに装備された自転車を使って移動する。
  • 橋梁部に生じた段差や開きを確認する。複数人でチェックし、写真でも記録する。
  • それが終わると次の現場へ。軽量な折り畳み自転車を使っている。
  • 次に行われるのは車両の撤去。
  • 積荷のある大型トラックはレッカー移動する。
  • 乗用車クラスの場合は「ゴージャッキ」と呼ばれる持ち上げ装置を使う。
首都高速道路会社は30日、同社管内で大規模地震が発生して橋梁に被害を受けたという想定で、これを復旧する「道路啓開訓練」を実施。同社やその関連会社が開発した部材を用い、迅速に復旧する様子が披露された。

今回の道路啓開訓練は「首都圏にマグニチュード7.3クラス(最大震度6強、一部では震度7)の大地震があり、首都高速道路の一部で橋梁を支える部材が脱落。橋梁間に幅50cm、高さ約30cmの段差が生じてクルマの通行ができなくなるとともに、段差が生じた部分の手前に多数の車両が乗り捨てられて通行不可になった」という想定で、これを迅速に復旧して救援に向かう消防や自衛隊などの緊急車両の通行を可能とする作業の確認を目的に実施されている。

震災発生時には橋梁技術系の社員が最初にパトロールを実施。パトロールカーで通行できない場合には車両に積載した自転車に乗り換えて現場への到達を目指すという。段差が生じているなどの障害発生箇所については複数人で確認を行うとともに、写真撮影を行って状況を記録する。

これと並行して実施されるのが「立ち往生したまま放置されている車両の撤去作業」だ。車両間をロープで結んでの牽引や、「ゴージャッキ」と呼ばれる車両持ち上げ器具による手作業での移動、大型レッカー車による牽引など様々な手法が紹介された。車両の撤去作業が終わらないことには障害箇所の復旧を行うための車両や人員が現場に向かうこともできないため、非常に手際よく、そして迅速に実施される。

この後が復旧の根幹となる「段差修正」の作業となる。以前は普通の土を入れた土嚢と鉄板を使っていたが、これは主として重量面で運搬が困難なことや、設置するために重機を使用しなくてはならないことから、同社では発泡ガラス材を用いた軽量土嚢と、FRPを使用した段差修正材を新たに開発。これを用いることで少人数による手作業での復旧を行えるようにした。通常の土嚢は約25kgの重量があるが、軽量土嚢は同じ容量でも約5kgに収まる。鉄板にいたっては約800kgだが、FRP製の修正材は一番重いものでも約30kg。作業員2人の手によって運搬できる重さとなっている。重量が軽いために作業車両にも多くの部材を積載でき、これによって複数の障害箇所にも対応できるようになった。

これら部材を用いた作業も迅速に進められ、今回の訓練では約30分で段差を解消。大型トラックの通行も可能なレベルまで復旧した。もちろん恒久的に使えるわけではなく、後に本格的な復旧工事が必要となるが、救援車両を通行させるには必要十分な強度があるという。

こうした啓開作業については2014年(平成26年)に改正された「災害対策基本法」に基づいており、同社では法改正を受けて「道路啓開マニュアル」を策定。このマニュアルでは道路啓開の考え方や手順、事前準備事項などを定め、これに従うかたちで具体的な啓開計画が決められている。
《石田真一》

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