ワースト1位は肥薩線人吉~吉松間の108人…JR九州、区間別の輸送密度を初公表

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区間別輸送密度が最も小さかったのは肥薩線の人吉~吉松間(108人)。写真は同区間内の大畑駅。
  • 区間別輸送密度が最も小さかったのは肥薩線の人吉~吉松間(108人)。写真は同区間内の大畑駅。
  • 区間別輸送密度が最も大きかった鹿児島本線小倉~博多間はJR九州発足時に比べ2割ほど増えている。写真は博多駅。
  • 新幹線と在来線(幹線)の区間別輸送密度。
  • 在来線(地方交通線)の区間別輸送密度。
JR九州はこのほど、鉄道22線を複数の区間に区切った場合の利用状況を公表した。同社が区間別の利用状況を公表したのは初めて。利用者が発足時の3倍以上に増えている区間がある一方、山間部などでは利用者が大幅に減少している姿が浮き彫りになった。

JR九州が今回公表したのは、2016年度における1日の平均通過人員(旅客輸送密度)など。九州新幹線と在来線21線(幹線8路線・地方交通線13路線)を61区間に分け、各区間ごとの輸送密度を開示した。熊本地震(2016年4月)の影響で不通となっている区間のうち、豊肥本線肥後大津~宮地間は開示しなかった。

2016年度の輸送密度が最も大きかったのは、鹿児島本線の小倉~博多間(8万2866人)。これに鹿児島本線博多~久留米間(6万8589人)、筑肥線筑前前原~姪浜間(4万3961人)、篠栗線吉塚~篠栗間(3万1962人)、長崎本線鳥栖~佐賀間(3万1420人)が続いた。いずれも福岡都市圏の通勤通学輸送や都市間輸送を担っている。2011年に開業した九州新幹線は、博多~熊本間が7番目に多い2万5657人だった。

輸送密度が最も小さかったのは、肥薩線の人吉~吉松間(108人)。この区間は熊本・宮崎・鹿児島3県が接する山岳地帯で、沿線人口も少ない。500人未満の区間はこのほか、肥薩線八代~人吉間(478人)、吉都線吉松~都城間(466人)、指宿枕崎線指宿~枕崎間(301人)、日田彦山線田川後藤寺~夜明間(299人)、筑肥線伊万里~唐津間(236人)、日南線油津~志布志間(222人)、豊肥本線宮地~豊後竹田間(154人)だった。このうち豊肥本線宮地~豊後竹田間は熊本地震の影響もあるとみられる。

JR九州発足時の1987年度と2016年度を比較した増減率(発足後に開業した路線と熊本地震の影響が大きい豊肥本線、算出区間が変更されている日南線南宮崎~油津間を除く)では、筑肥線の筑前前原~姪浜間が発足時に比べ3倍以上の増加。篠栗線の吉塚~篠栗間も2倍以上増えているなど、福岡都市圏を中心に計19区間で増えている。

輸送密度が発足時に比べ半分以下になったのは、九州新幹線開業の影響を大きく受けた鹿児島本線大牟田~熊本間など10区間。筑豊本線桂川~原田間(原田線)は1987年度の2981人に対し2016年度は512人で、約8割減っている。

JR旅客6社が運営する各線の輸送密度は2003年度以降、国土交通省鉄道局監修『鉄道統計年報』で公表されている。一方、JR東日本などは近年、1本の路線を複数に区切った区間別の輸送密度を独自に公表するようになった。JR九州が区間別の輸送密度を公表したのは、これが初めてだ。
《草町義和》

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