【新聞ウォッチ】ロータリーエンジン半世紀秘話、コスモ1号車松下幸之助氏が購入

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  • コスモスポーツに搭載されたロータリーエンジン

気になるニュース・気になる内幕---今日の朝刊(朝日、読売、毎日、産経、東京、日経の各紙・東京本社発行最終版)から注目の自動車関連記事をピックアップし、その内幕を分析するマスコミパトロール。

2017年5月31日付

●日米連合へWD参加焦点、経営権や出資額課題に、東芝メモリ売却(読売・8面)

●逆風続くHV販売、ホンダ海外加速へ、低燃費・価格で普及図る(朝日・6面)

●自動車8社生産、4月は2.8%増加(朝日・6面)

●米記者「琢磨インディ500V不愉快だ」つぶやき投稿失職(朝日・37面)

●マツダロータリーエンジン半世紀、水素・EVで復活期待(毎日・6面)

●ご当地ナンバー図柄入りで、「走る広告塔」国交省。導入地域募集(毎日・26面)

●生産性・競争力向上、後押し、成長戦略素案(産経・11面)

●「運転が楽しい」車つくる、スバル・吉永社長(東京・6面)

●トラック運賃適正に、待機時間など対価反映(日経・1面)

●ディーゼル車欧州で逆風、VW排ガス不正受け、EU全体で監視厳しく(日経・8面)

●マツダ、新燃費基準第一号、SUV、週内にも認可(日経・13面)

●株主総会、来月中旬から本格化、問われる企業統治の質(日経・17面)

ひとくちコメント

1967年といえば、当時の社名は東洋工業だったが、「夢のエンジン」と呼ばれ、マツダが世界で初めて量産化したロータリーエンジンを搭載した『コスモスポーツ』を発売してから5月30日で50年を迎えたという。

その大きな節目となったマツダのロータリーエンジン。きょうの毎日によると「2012年に生産を終了したが、マツダはREを技術力の象徴と位置づけ、今も研究開発を継続中。電気自動車(EV)に載せる発電用エンジンや、水素を燃料とする新型エンジンとしての『復活』が期待されている」と取り上げている。

ロータリーエンジン開発の軌跡については、朝日が「飽くなき挑戦 ロータリーエンジンの半世紀」と題する連載を行っていたが、記念日の5月30日夕刊の社会面でも「ロータリーエンジン疾走50年」の秘話を伝えている。

その記事で興味深いのは、1966年5月25日、ロータリーエンジンを搭載したコスモスポーツの試作車のドアを開け、乗り込もうとするスーツ姿の男性の貴重な写真だ。その男性とは、松下電器産業(現パナソニック)の創業者で「経営の神様」と呼ばれた松下幸之助氏。当時71歳だったそうだ。

松下氏はマツダの当時の社長だった松田恒次氏と「合理主義」を重視した経営哲学で意気投合、さらに、ロータリーエンジンに絶賛して、その生みの親で80年代に社長を務めた山本健一氏とも、交流があったという。その縁でコスモの「第1号車」を松下氏が購入したというのだそうだ。

また、元都知事で作家の石原慎太郎氏が、68年に参院選で初当選し、初登院の日にコスモで国会に乗り付けたというエピソードも紹介。朝日の記事では「復活を望む声はやむことがない」として、「発売から半世紀の節目にどう出るか、注目が集まっている」と結んでいる。

ロータリーエンジンが半世紀なら、マツダは2020年に創業100周年を迎える。その記念イベントに華を添える可能性もある。

《福田俊之》

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