北越急行ほくほく線「宅配荷物列車」スタート…六日町駅で出発式

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旅客と貨物が「同居」。ほくほく線で「貨客混載列車」の運行が始まった。
  • 旅客と貨物が「同居」。ほくほく線で「貨客混載列車」の運行が始まった。
  • 渡邉社長は「お客さまの安全が第一」として安全面の検証を徹底的に行ったと話した。
  • 佐川急便の内田取締役はトラック運転手の労働環境改善などへの期待感を語った。
  • 「貨客混載列車」のテープカット。渡邉社長と内田取締役のほか北陸信越運輸局の江角直樹局長(左)も出席した。
  • テープカットの後に行われたカーゴの積み込み作業。
  • 車椅子スペースに2台のカーゴが固定された。
  • 車椅子スペースに固定された2台のカーゴ。最大積載量は1台あたり200kgになる。
  • 2016年11月の試験運行時に使ったカーゴより安全対策が強化され、角に緩衝材が取り付けられた。
北越急行ほくほく線の六日町駅(新潟県南魚沼市)で4月18日、「貨客混載列車」の出発式が行われた。2016年10月に改正された「流通業務の総合化及び効率化の促進に関する法律(改正物流総合効率化法)」に基づく認定事業の第1号。毎日運行している旅客列車のスペースを一部使い、宅配荷物を運ぶ。

ほくほく線は、新潟県南部の山間部を貫く六日町~犀潟間59.5kmの鉄道路線。一部の列車はJR線やえちごトキめき鉄道に乗り入れ、越後湯沢~直江津~新井間を結んでいる。かつては越後湯沢~金沢間などを結ぶJRの特急列車も運行されていたが、2015年3月の北陸新幹線延伸開業に伴い廃止された。

特急列車の廃止で収入が大幅に減ったことから、同線を運営する北越急行は宅配大手の佐川急便と提携して貨客混載輸送を計画。今年3月29日には改正物流総合効率化法に基づく認定を受けた。北越急行は利用者が少ない列車の「輸送余力」の活用や収入の増加、佐川急便はトラック運転手不足の緩和や二酸化炭素(CO2)排出量の削減などの利点がある。

出発式には北越急行の渡邉正幸社長や佐川急便の内田浩幸取締役らが出席。渡邉社長は「お客さまの安全が第一。安全性を徹底的に検証し、ようやくここまで来た」と語り、内田取締役も「他の輸送モードとの連携で、輸送効率の向上や働き方の改革につながっていくのではないかと思う。今後もさまざまな輸送モードとの連携を図っていきたい」などと述べた。

六日町駅を12時44分に発車する直江津行き普通列車(HK100形電車2両編成)がホームに入るとテープカットが行われ、続いて荷物搭載用カーゴの積み込みが行われた。カーゴは高さ1650mm・幅652mm・長さ936mmで、最大積載量は200kg。2016年11月の試験運行で使われたカーゴとほぼ同じ姿をしているが、角に緩衝剤を貼り付けるなどして安全対策を強化した。2両のうち越後湯沢方の車両の車椅子スペースにカーゴが二つ置かれ、ラッシングベルトを使って車椅子スペース壁面のラッシングレールに固定された。カーゴ固定用のラッシングレールは全てのHK100形に設置された。

北越急行の磯部正昭運輸部長は国鉄出身で、かつてはEF58形電気機関車がけん引する新聞輸送列車を運転していたという。「旅客列車は停車位置が多少ずれても、お客さんがそれにあわせて動いてくれる。荷物は自分で動いてくれない。停車位置が少しでもずれると、すごく怒られた。再び荷物輸送に関わることになり感慨深い」などと話した。

実際に「貨客混載列車」として運行されるのは夜間の列車で、越後湯沢19時53分発~直江津21時12分着と直江津20時44分発~六日町21時48分着の上下計2本。いずれも途中の六日町~うらがわら間のみ宅配荷物を運ぶ。佐川急便の六日町営業所から六日町駅までと、うらがわら駅から佐川急便上越営業所まではトラックで運ぶ。六日町・うらがわら両駅の停車時間は所定ダイヤで3分確保されており、トラックから列車への積替えに対応した。土曜・休日は荷物輸送を行わない。

国土交通省の公表資料によると、従来のトラック輸送の走行距離は長岡営業所経由で133km。貨客混載輸送の実施でトラックの走行距離は計20kmに抑えられ、二酸化炭素(CO2)の排出量を88%削減できる。トラックの運転時間も1回あたり60%削減できるという。
《草町義和》

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