エンジンオイル世界市場、2025年までは拡大---EV普及進まず

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エンジンオイルの例(カストロール「EDGE 0W-20」)
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  • 潤滑剤の世界市場

富士経済は、潤滑剤の世界市場を調査し、その結果を報告書「潤滑剤関連市場の現状と将来展望 2016」にまとめた。

報告書によると、2015年の潤滑剤世界市場は7兆9122億円。2016年には1.7%増の8兆0512億円、2025年には15.3%増の9兆1224億円に達すると見込んでいる。

そのうち、自動車(ガソリン)用エンジンオイルは、アジアでの乗用車需要増加により、今後も継続的な市場拡大が期待される。2015年は自動車販売台数の増加により数量・金額ともに前年比で微増。2016年は数量・金額で前年比2%程度の伸びが見込まれる。長期的にはEVやFCVといったエンジンオイルを必要としない車種の普及が予想されるものの、当面は普及台数が小規模にとどまるため、2025年まではガソリン車用エンジンオイルの市場を圧迫するには至らないとみられる。

工業用潤滑油は韓国や台湾などアジアの産業発展により、高い伸長率が期待される。品目別では建設機械用やその他用の油圧作動油が工業用潤滑油の30%弱を占める。ただし、建設機械用は中国の旺盛な建設需要により高い伸びを続けてきたが、中国経済の減速に伴い鈍化。一方、工業用ギヤ油は風力発電機用の需要増を背景に急成長が予想される。

切削加工油や塑性加工油などの金属加工用油は、中国やアジアで需要が増えており、輸送機器用潤滑油や工業用潤滑油ほどの大幅な伸びは難しいものの、自動車産業には欠かせない製品であり、緩やかな市場拡大が予想される。

グリース/固体潤滑剤は要求性能の高度化や使用環境の苛酷さが顕著になってきており、高機能、高付加価値製品の需要が増えている。高い技術力が求められるため、参入メーカーの研究開発動向が注目される。

《纐纈敏也@DAYS》

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