【BMW 225xe アクティブツアラー 試乗】このPHVの真価は「エコ」以外のところにある…中村孝仁

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BMW 225xe
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EVは家庭に充電施設が必要不可欠だと思うのだが、PHVの場合、必ずしもそうではない。何故なら、ガソリンだけでも走れてしまうからである。そこで疑問に思うことはPHVは果たしてHVとは異なる新たな選択肢か?ということである。

電気の充電を必要としないなら、HVでも同じじゃん?という考え方も成り立つと思う。しかし、たまたま入ったレストランに無料のEV充電設備があった…こんな場合、なら少し充電しようか…となれるところがPHVのHVに対する優位性である。

ただし、同じモデルでHVとPHVを持つトヨタ『プリウス』で比較した場合、価格差は50万円ほどあった。BMWの場合、『2シリーズ』にHVが存在しないので間接的な比較でしかないが、約100万円近くガソリン車と比較してPHVは高い。マンションなどに住んでいて、本当はPHVかEVが欲しいのだが充電施設がないために購入をあきらめている、というような人にとって、PHVは新たな選択肢となることは間違いない。

バッテリーを満充電した状態で42.4km走行できることを謳う『225xe』を、現実的に4泊5日間使ってみた。因みに我が家には充電設備はない。東京駅にあるBMWの本社からクルマを借り出して首都高湾岸線経由で帰宅、走行はおよそ60km程度で当然ながらこの時点で、バッテリーの残量は尽きる。ただし、回生などにより常に4~5%は確保され、極低負荷時はバッテリー走行を可能とする。実はほとんどこの状態で走った。

このクルマのユニークなところはガソリンエンジンはフロント駆動を司り、モーターは後輪駆動となる。つまりEV時はFRでガソリンのみの時はFWDというわけで、この二つが合わさると4WDになる3種の駆動方式を味わえるところなのだが、では実際にその走りに違いが出るのかというと、通常走行でそれが実感できることはまずない。

走行モードは例によってエコプロ、ノーマル、そしてスポーツをチョイスでき(ただしオプション)、さらにPHVらしいオートeドライブ、max e ドライブ、それにセーブの3種が用意され、通常はオートeドライブが選択される。これにエコプロモードを組み合わせれば、最もエコな走行が可能というわけだが、やはりパフォーマンス的には物足りなさが残ることは否定できない。本気でエコモードに挑戦したわけではなく、ごくごく一般的な走行に終始し、5日間の走行距離は330km、その間の平均燃費は14.5km/リットルであった。正直言えば、HVとしては決して良い値ではなく、やはり毎日充電をしてこそ、このクルマの真価が発揮されるのだと思う。

因みに車両を借用中、一度だけ充電を試みた。市中にある充電施設は確かに数だけならばたくさんあるのだが、EV充電ステーションマップGoGoEVというサイトの地図を使って検索すると、まっとうに使える充電ステーションが、少なくとも我が家の周りは予想外に少ないことが判明した。(多くはトヨタや日産などのディーラーで有料)しかも充電スポットもたいていの場合1基もしくは2基程度しかなく、わざわざ探して行った充電スポットでは先客があって、使用不可だった。また、無料の充電スポットの場合基本1時間が原則のようである。因みにバッテリー残量4%から1時間の充電で、およそ30%ほどの増加が見込めるが、それを使い果たすのはモノの数キロである。

エンジンは「218i」と同じ1.5リットル3気筒 ターボ。本来このガソリンエンジンだけでもリッター14km程度なら走るはずだから、重いバッテリーやモーターを載せた分、燃費には悪影響を与えている。だからといって家に充電設備を備えようとすれば、工事費で5~20万円ほどかかり、さらに電気の基本料金も高くなるから、節約した燃費で投資を取り戻すのは相当に走らなくてはならず、現状ではやはり効率の良いガソリンエンジン搭載車が長い目で見ると最も財布に優しいということになりかねないことは確かなようだ。

敢えて言うなら225xeの面白いところは、3種の異なる駆動方式を1台のクルマで楽しめること、そしてハイブリッドよりははるかに長いEV走行を楽しめることではないかと思う。当然ながら、新たな選択肢としてPHVが浮上したことは間違いない。ただしそれはエコを目的としたものではなく、複数の駆動方式とパフォーマンスを楽しめるという意味でのことである。

■5つ星評価
パッケージング ★★★★★
インテリア居住性 ★★★★★
パワーソース ★★★★★
フットワーク ★★★★★
おすすめ度 ★★★★★

中村孝仁(なかむらたかひと)AJAJ会員
1952年生まれ、4歳にしてモーターマガジンの誌面を飾るクルマ好き。その後スーパーカーショップのバイトに始まり、ノバエンジニアリングの丁稚メカを経験し、その後ドイツでクルマ修行。1977年にジャーナリズム業界に入り、以来38年間、フリージャーナリストとして活動を続けている。
《中村 孝仁》

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