ホンダの海外向け高級車ブランド、アキュラが3月23日、米国で開幕したニューヨークモーターショー16で初公開したアキュラ『NSX GT3』。このレーシングカーは市販車とは異なり、ハイブリッドシステムを搭載していない。
NSX GT3は、新型『NSX』をベースに、FIA(国際自動車連盟)のGT3レギュレーションに適合させるレーシングカー。2017年シーズンの実戦デビューを目指す。
NSX GT3では、市販車の新型NSXの高剛性かつ軽量な複合素材ボディと、アルミスペースフレームを使用。その上で、大型リアウイングやディフューザーなど、エアロダイナミクス性能の引き上げが図られた。
ミッドシップには、新型NSXと同じ3.5リットルV型6気筒ガソリンツインターボエンジンを搭載。エンジンブロック、ヘッド、バルブトレイン、クランクシャフト、ピストン、ドライサンプオイル潤滑システムは、市販車から流用する。トランスミッションは、6速シーケンシャル。
NSX GT3の市販車との最大の違いは、ハイブリッドシステムが搭載されない点。エンジンのパワーだけが後輪を駆動するMR(ミッドシップ・リアドライブ)車となり、市販車の新型NSXの特徴である前/後輪へのモーターパワーのアシストはない。
これは、FIAのGT3レギュレーションが、ハイブリッドと4WDを禁止しているため。開発を担当しているホンダ・パフォーマンス・ディベロップメントのArt St. Cyr社長は、「新型NSXの優れたパフォーマンスが、GT3レースで証明されるのが待ち遠しい」とコメントしている。