【ホンダ アフリカツイン 動画試乗】その懐の広さ、間口の広さが新しい…佐川健太郎

モーターサイクル 新型車
ホンダ CRF1000L アフリカツイン
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ホンダ待望の新型アフリカツイン『CRF1000L』は、間違いなく今年前半の目玉となる一台だ。

設計コンセプトとしては先代同様、大陸横断ツアラーとしての高速巡航性能と本格的オフロード性能を両立すべく開発が進められた。

エンジンは先代のVツイン750ccから水冷並列2気筒998ccへと進化。270度位相クランクによる不等間隔爆発のパルス感と優れたトラクション性能がウリである。車格的には先代とほぼ同じで、車重もDCT仕様では240kgを超える「ビッグアドベンチャーツアラー」のカテゴリーと言っていい。ただ、乗った感じはライバル達と異なり、だいぶ軽やか。そしてかなりオフ車っぽい。その意味で、アフリカツインは新しい世界観を持ったモデルであり、本当にオフで楽しめるアドベンチャーモデルと言えるかも。

新型アフリカツインの卓越したオフロード性能を支えているのが進化型DCTだ。たとえばシフトダウンはDCTに任せてブレーキングに集中できるし、急坂でクラッチを握らなくてもエンストの心配もない。トラクションが途切れないので常にグリップが安定していて、結果的に加速のノリも良いなど利点が多い。マニュアルミッション仕様にも乗ってみたが、急に巧く操れなくなった自分にいら立ち、すぐにDCTに乗り換えてしまったほどだ。

高速道路ではウインドプロテクションの良さが光っていた。カウルとスクリーンはコンパクトな見た目によらず整流効果が高く、ヘルメット上部や肩口をかすめて風がきれいに流れていく。エンジンの動力性能も国内では申し分ないレベルで、DCTによる切れ目のない加速のおかげで、スペック以上の速さを実感できたことも付け加えておく。ちなみにアウトバーンでは160km/hからの追い越し加速でも十分な結果を得たそうだ。

ハンドリングはフロント21インチとは思えない軽快さで、通常のロードバイクと同じ感覚で曲がっていく。バンク角も十分ゆとりがあり、トラクションに優れるエンジンと素直なハンドリングのおかげで安心してコーナリングも楽しめた。

すでに多方面で絶賛されているアフリカツインだが、今回の試乗でその理由が分かった気がする。乗り味はあくまでもフレンドリーだが、その気になれば玄人をも唸らすポテンシャルを秘めている。強豪ぞろいのビッグアドベンチャーのカテゴリーにあって、その懐の広さ、間口の広さが新しいと思う。

■5つ星評価
パワーソース:★★★★★
フットワーク:★★★★★
快適度:★★★★★
タンデム:★★★★★
オススメ度:★★★★★

佐川健太郎|モーターサイクルジャーナリスト
早稲田大学教育学部卒業後、出版・販促コンサルタント会社を経て独立。編集者を経て現在はジャーナリストとして2輪専門誌やWEBメディアで活躍する傍ら、「ライディングアカデミー東京」校長を務めるなど、セーフティライディングの普及にも注力。(株)モト・マニアックス代表。バイク動画ジャーナル『MOTOCOM』編集長。日本交通心理学会員。MFJ公認インストラクター。

《佐川健太郎》

佐川健太郎

早稲田大学教育学部卒業後、出版・販促コンサルタント会社を経て独立。編集者を経て現在はジャーナリストとして2輪専門誌やWEBメディアで活躍する傍ら、「ライディングアカデミー東京」校長を務めるなど、セーフティライディングの普及にも注力。メーカーやディーラーのアドバイザーも務める。(株)モト・マニアックス代表。「Yahoo!ニュース個人」オーサー。日本交通心理学会員。MFJ公認インストラクター。

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