何があってもVWの『ゴルフ』が名車であることは、これまでの歴史と評価が証明している。ラテン系に較べ情感こそ抑えられ気味ではあるが、その定規のような理念、キャラクターはVWの持ち味だ。「R」は『ゴルフ』のフラッグシップモデル。高性能(280ps/38.7kgm)を絞り出す2リットルターボを心臓にもち、駆動方式には4MOTION(4WD)が組み合わせられる。FFのトップモデル「GTI」とは、同じエンジン排気量ながら、コチラのほうが高スペックが与えられている。では実際の走りは?というと、これが実に洗練された印象なのだ。試乗車は6速MT車だったが、コクンと決まるシフトと、それにタッチが釣り合うクラッチペダルの操作感は非常にスムーズ。その上で走らせると、ことさらアクセルを踏み込まずとも悠々とトルクが立ち上がり、クルマが前に出る。さらに加速を試せば、スピードの上昇は十分に速く、スポーツカーに乗っている実感を味わわせてくれる。ハンドリングも素直で安定したもの。もちろん山道では懐の深い足回りがたっぷりと堪能できる。さらに驚くべきは乗り心地が非常にいいということだ。まるで高級セダンのようで、不当な硬さがないため足回りから不要なノイズも立たず、同乗者からの不満は一切出ないはず。このあたりの印象は、以前に試乗した2ペダルの6速DSG車とまったく変わらない。性能はもとより、過去のどの「R」よりも洗練されたモデルだ。■5つ星評価パッケージング:★★★★★インテリア/居住性:★★★★★パワーソース:★★★★★フットワーク:★★★★★オススメ度:★★★★★島崎七生人|AJAJ会員/モータージャーナリスト1958年・東京生まれ。大学卒業後、編集制作会社に9年余勤務。雑誌・単行本の編集/執筆/撮影を経験後、1991年よりフリーランスとして活動を開始。以来自動車専門誌ほか、ウェブなどで執筆活動を展開、現在に至る。 便宜上ジャーナリストを名乗るも、一般ユーザーの視点でクルマと接し、レポートするスタンスをとっている。
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