【吉田由美のパリジェンヌ車旅】DS 5 編…お洒落ごころはDSの必須アイテム

1955年、個性的なデザインと独自のサスペンションシステム「ハイドロニューマチック」によって、独特な乗り心地を味わえる『DS』が誕生しました。

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DS 5
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1955年、個性的なデザインと独自のサスペンションシステム「ハイドロニューマチック」によって、独特な乗り心地を味わえる『DS』が誕生しました。

この「DS」とはフランス語で「女神」という意味もあるとのことですが、まさに異次元でしなやかな乗り心地を持つDSは、当時「女神」だったのかもしれませんね。

そんなこともありDSという名前はシトロエンにとって特別な存在。通常シトロエンのラインナップは「C」+数字表記ですが、個性の強いお洒落なバリエーションとしてDSというラインが2010年からあります。いうなれば同じブランド内に2つのブランドがあるようなもの。ただでさえ、新しいモデルが登場するために、他の自動車メーカーでは考えつかないようなあっ、と驚くようなアイデアを盛り込んでくるシトロエンなのに、DSはそれをさらにお洒落なエッセンスが加えられたうえ、個性をとんがらせた感じ。だからこそ、面白いし魅力的!

そんなDSラインがついに新ブランド「DSオートモビル」として独立。「シトロエン」という文字は消え、お洒落なエッセンスにさらにプレミアム感が加わります。その第一弾となるのが『DS 5』。DS 5はDSのフラッグシップモデルでオランド大統領の専用車でもあります。

東京モーターショーでは、DS誕生60周年を記念して作られた限定モデル「DS 5 エディション1955」が公開されました。「ブルーアンクル」という濃紺のボディカラーにブラックのルーフ。フロントやホイールにゴールドのエンブレム。ドアやリアゲートなどに60周年記念のロゴ。

これだけでもわくわくするのに、今回はこのディーゼルモデルにパリで試乗できるというので、素敵すぎます! さらに、本当に偶然なのですが、私が試乗したまさにその日が、1955年のパリモーターショーでDSが発表された10月6日。つまり「DSの誕生日」だったのです。パリではこれを祝うイベントが行われ、シャンゼリゼ近くにあるDSのショールームから、当時、広告を出して世間を驚かせたエッフェル塔が望める素敵な場所まで、クラシックDSの同乗試乗ができるというラッキーに遭遇しました。

用意されたDSは16台。シートベルトの無いふかふかなシートに、何とも言えない「ぼよよん系」な乗り心地。ドライバーの方がクルマをいたわりながら、クルマと対話しながら運転しているのが印象的でした。それにしてもクラシックDSは雰囲気があります。優雅さをたたえたエクステリアデザイン、ボディカラーもなんともいえない深みのあるカラーで、当時のフランス人の美的センスを感じます。つかの間のタイムスリップ。60年前と変わらない姿をたたえるエッフェル塔と当時のクラシックDSのコラボは、道行く人が思わずカメラに収めたくなる衝動にかられるものでした。

というわけで、今回の私は60年前のクラシックDSと最新のDSを乗り比べるというおまけつき。もちろん並べて写真も撮っちゃいました!

横に並べるとだいぶ最新DSはサイズアップされています。特徴的なスタイリング、お洒落ごころはDSの必須アイテム。たとえばシート。シャネルの時計ベルト風の編み込み型レザーシートは、見ただけでもテンションが上がります。そのうえシートの風合いや色合いも高級素材を使用しているというだけではなくて、しっかり素敵にデザインされているところがさすが「DS」。ステッチの入り具合や色合わせなども素敵!

しかし、この60年間で変わったのは、シートのサイズではないかと思います。60年前には背もたれが背中の途中までしか無くて、ヘッドレストも無し。シートベルトも無し。しっかり大きなシートに包まれるのに慣れている私たちには少し頼りなく思えます。しかし、ふかふかシートは現代版に改良されている感じで、DS 5に受け継がれ、その進化を感じます。

そして、乗り心地はどうでしょうか? DS 5は期待を裏切らず、まろやかな感じでした。なんだかんだ言って、DSに期待するのはクラシックDSのイメージなのかも。もちろん、それを現代風にアレンジしたものですが。

ちなみにクラシックDSがこれだけ一堂に揃うことは今後もそうあることではないとは思いますし、なかなか乗るチャンスも無いとは思いますが、パリのショールーム「DS WORLD」はいつでもオープン。この日は2階に1975年製のクラシックDSが展示されていました。

今から60年後にも、今回試乗した最新DS 5が、「クラシックDS」同様に愛されているモデルになるといいな。


吉田由美|カーライフ・エッセイスト
短大時代からモデルを始め、国産メーカーのセーフティドライビングのインストラクター経て2000年に「カーライフ・エッセイスト」に転身。クルマまわりのエトセトラについて独自の視点で自動車雑誌を中心に、テレビ、ラジオ、web、新聞、トークショー、講演会などで広く活動中。3つのブログを展開し、中でも「なんちゃってセレブなカーライフ」は1日約20万アクセスの人気を誇る。
《吉田 由美》

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