排ガス試験での不正により、創業以来、最大の危機に陥っているフォルクスワーゲングループ。同社が、競合他社から、法務部門のトップを招聘した。
これは10月16日、フォルクスワーゲングループが明らかにしたもの。「ダイムラーのクリスティーヌ・ホーマン・デンハルト氏を、2016年1月1日付けで、フォルクスワーゲングループの法務担当役員に起用する」と発表している。
今回の人事は、異例の出来事。それは、ヘッドハンティング(引き抜き)ではなく、2社の間で合意した上での「移籍」という点。
クリスティーヌ・ホーマン・デンハルト氏は現在、ダイムラーの法務担当役員。任期は2017年の2月までだが、この契約を早期に終了させ、フォルクスワーゲングループの法務担当役員に就任する。
この人事は、フォルクスワーゲングループが、ダイムラーに要望する形で実現。フォルクスワーゲングループ監査役会のハンス・ディーター・ペッチュ会長と、ダイムラー監査役会のマンフレッド・ビショフ会長との間で、合意に達した。
フォルクスワーゲングループ監査役会のハンス・ディーター・ペッチュ会長は、「我々の要望に応じてくれたダイムラーに感謝したい」とコメントしている。