【フォード クーガ 試乗】日欧米のいいとこ取り、グローバルブランドらしいクルマ…森口将之

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ヨーロッパ車で1.5リットルのクルマは少ない。昔からモータースポーツのレギュレーションなどで、1.6リットルが境目になっていたからだ。

なのにフォードのSUV『クーガ』の新型は、1.5リットルと2リットルの直列4気筒ターボという、日本の税制を意識したラインナップで登場した。グローバルで展開するブランドらしい。

現行フォードではひとクラス下のSUV、『エコスポーツ』に続く設定となる1.5リットルは、エントリーグレードの「トレンド」が積む。従来より100cc小さいわけで、力不足を懸念する人がいるかもしれない。でも最高出力は182ps、最大トルクは24.5kgmと、旧型とまったく同じだ。だから加速は不満なし。燃費についても、100ccのダウンサイジングに加え、アイドリングストップが追加されたから、伸びが期待できる。

一方、途中で乗り換えた上級グレードの「タイタニアム」に積まれる2リットルは242ps/34.2kgmを発生。はるかに大柄な『エクスプローラー』の車体を軽々と動かすだけあって、クーガとのコンビは静かで余裕があって、2.5リットル5気筒ターボを積んでいた初代を思い出すほどだ。でも個人的には1.5リットルで十分だと感じた。

そう思った理由はシャシーにもある。タイタニアムでは低速で18インチタイヤの固さが気になる場面があったのに対し、17インチのトレンドはサスペンションとのバランスが絶妙だった。ただし電子制御AWDシステムがもたらすハンドリングは似た感触で、どちらも安定しきっており、なおかつ素直だった。

クーガはこれまでも、アメリカ仕込みのSUV作りのうまさと、ヨーロッパ仕込みのシュアなハンドリングの融合という、いいとこ取りのクルマ作りが魅力だった。新型はそこに、日本に似合うエンジンを組み合わせた。グローバルブランドらしい仕事に感心する1台でもあった。

■5つ星評価
パッケージング:★★★★
インテリア/居住性:★★★★
パワーソース:★★★★
フットワーク:★★★★
オススメ度:★★★★

森口将之|モータージャーナリスト&モビリティジャーナリスト
1962年東京都生まれ。自動車専門誌の編集部を経て1993年に独立。雑誌、インターネット、ラジオなどで活動。ヨーロッパ車、なかでもフランス車を得 意とし、カテゴリーではコンパクトカーや商用車など生活に根づいた車種を好む。趣味の乗り物である旧車の解説や試乗も多く担当する。また自動車以外の交通 事情やまちづくりなども精力的に取材。日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員。グッドデザイン賞審査委員。

《森口将之》

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