【VW パサート Rライン 試乗】乗った瞬間に伝わるゴキゲンな高級感…諸星陽一

試乗記 輸入車
VW パサートセダン TSI Rライン
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8代目『パサート』のもっともスポーティなグレードとなるのが「Rライン」だ。

ドアを開けドライバーズシートに乗り込むと、端正なインパネが目の前に広がる。最大の特徴はインパネの右から左までを貫くように配置されたフェイスレベルのエアコン吹き出し口。この配置が見事なまでの水平基調を強調している。その中央にはアナログ時計が配置される。

新型パサートは現行『ゴルフ』から採用されたMQBと呼ばれる発展性の高いプラットフォームを用いている。つまりゴルフと共通する部分が多いのだが、ゴルフとはまるで異なる趣を持っているのがパサートだ。いかにもセダン然とした雰囲気はゴルフとはまるで異なるもの。

それはクルマに乗って走らせても同じだ。ゴルフの持っているスポーティな雰囲気とはまるで違う、しっとりと落ち着いた雰囲気がパサートらしい部分として伝わってくる。搭載されるエンジンは1.4リットルの直列4気筒ターボ。組み合わされるのはツインクラッチのDSG7速。何のインフォメーションもなくパサートに乗ったなら2リットル+α程度のエンジンを積んでいると感じる人も多いだろう。

最大トルクの25.5kgmは1500回転という低回転から発生する。この低回転からのトルクの発生がパサートに力強くも品格のある走りを可能にしている最大の要因だ。アクセルペダルを軽く踏み込むだけでグイッと前に進むさまは、じつに気持ちがいい。余裕こそが高級感を生むための大きな要素だ。また、DSGのシームレスなシフトフィールもパサートの走りに高級感を与えているポイント。アクセルペダルの操作だけでシームレスに速度を上げていける。

ハンドリングはしっかりとしつつも、余裕のあるもの。ステアリングに対するクルマの動きは正確で、クルマを思ったように動かせる。道路に描かれた車線のライン目標に、トレースしていくのが楽しいタイプのセッティング。それでいてセダンに求められる懐の深い乗り心地も確保している。

試乗車に装着されていたタイヤはオプション設定されているミシュランのパイロットスーパースポーツで、サイズは235/40ZR19。じつは今回の試乗ではワゴンで215/55R17サイズにも乗っているが、静粛性が高かったのはセダンに装着された19インチサイズのほう。フィーリング的には装着をすすめたいところだが、オプション価格は16万2000円。しかもタイヤは消耗品。内径サイズ大きくなればなるほどタイヤの価格は高価になるのが普通なので、オプションを選べば維持費も高くなるということを記憶にとどめておいてほしい。

セダンRラインの車両本体価格は460万9800円。ベーシックモデルのトレンドラインだと329万円。トレンドラインとRラインの間には2グレードが用意される。4機種いずれも基本的な部分は同一。装備面での違いとなるが、クルマのポジショニングを考えるとやはりもっとも上位となるRライン、もしくは414万円のハイラインあたりがメイングレードとなるだろう。

■5つ星評価
パッケージング:★★★★
インテリア/居住性:★★★★
パワーソース:★★★★
フットワーク:★★★★
オススメ度:★★★

諸星陽一|モータージャーナリスト
自動車雑誌の編集部員を経て、23歳でフリーランスのジャーナリストとなる。20歳代後半からは、富士フレッシュマンレースなどに7年間参戦。サーキットでは写真撮影も行う、フォトジャーナリストとして活躍中。趣味は料理。

《諸星陽一》

諸星陽一

自動車雑誌の編集部員を経て、23歳でフリーランスのジャーナリストとなる。20歳代後半からは、富士フレッシュマンレースなどに7年間参戦。サーキットでは写真撮影も行う、フォトジャーナリストとして活動中。趣味は料理。

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