実用前提なら“4枚ドア”の利便性は捨てがたい。ドアが小振りになる分、手狭な場所での開閉(乗降)も楽だ。そこで3ドアと同じ全長の「スポーツバック」の存在価値がクローズアップされるという訳だ。カタログをツブサに読むと、後席空間の数値が僅かながらずつだがコチラのほうが大きい。それは後席への乗車もより考慮してのことだろう。座面の傾斜で乗員の身体を支える着座姿勢はVW『ポロ』との共通項。だがシート左右サイズはポロよりゆとりがあり、かつコチラは2名乗車という点がアウディの余裕というべきか。試乗できたのは、新搭載の3気筒の1リットルターボ車。NA版はVW『up!』で経験済みだが、ボディ構造、エンジン特性(ミッション)の違いで、スムースな4気筒エンジン車のような軽快でストレスのない走りが印象的。アイドリングストップが効き、復帰時のスッと静かな再始動もなかなか。コンパクトでもしっかりとアウディらしく、上質感を損なわない。パワーステアリングもなめらかだ。185/60R15サイズタイヤということもあり、乗り心地も不快なショックが目立たない、穏やかでフラットなもの。上級車を乗り継いできたダウンサイザーが購入リストに入れそうなクルマだが、その期待を裏切らない実力をもっている。■5つ星評価パッケージング:★★★★★インテリア/居住性:★★★★★パワーソース:★★★★★フットワーク:★★★★★オススメ度:★★★★★島崎七生人|AJAJ会員/モータージャーナリスト1958年・東京生まれ。大学卒業後、編集制作会社に9年余勤務。雑誌・単行本の編集/執筆/撮影を経験後、1991年よりフリーランスとして活動を開始。以来自動車専門誌ほか、ウェブなどで執筆活動を展開、現在に至る。 便宜上ジャーナリストを名乗るも、一般ユーザーの視点でクルマと接し、レポートするスタンスをとっている。
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