テイン中国工場の立ち上げ請負人、小林総経理「先端技術導入で自動化推進」

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天御減振器制造(江蘇)有限公司の小林昭雄総経理
  • 天御減振器制造(江蘇)有限公司の小林昭雄総経理
  • 工場建設前のようすについて、写真とともに振り返ってもらった
  • テイン 中国新工場オープニングセレモニー
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テインは、中国の江蘇省宿遷市に、「天御減振器制造(江蘇)有限公司」を開設した。7月8日にはオープニングセレモニー、およびメディア向け工場見学会が行なわれた。

天御減振器制造(江蘇)有限公司の小林昭雄総経理に工場開業の狙いや今後について話を聞いた。

----:中国工場の総経理に就任した背景は。

小林昭雄総経理(以下、敬称略):日本で、横浜市内で6拠点あったところを1箇所にまとめる役割を担当し、そののちの横浜工場の移転も私が担当した、という経験があったので、この「天御減振器制造(江蘇)有限公司」を設立する場所が決まり、私が担当になったという背景があります。

----:いままでの工場立ち上げと異なる部分は。

小林:沢山ありました。建築会社を決めるのにも、日本だと大手ゼネコンに頼めますが、中国だと設計と建築が分かれていて責任問題が発生してしまいます。そこで、両方を取り扱っている企業を探しました。ただ、日本の建築の常識と異なる部分はありました。

----:今回の工場設立で、重視したこと、ポイントとなったことは。

小林:検査体制と、日本よりロット数、生産を増やすことです。作業者とのバランスを考えながら設備を自動化するか、大量生産体制をつくるか、といった部分を意識しました。経験を積んだ人間が機械にはできない判断をすることはしばしばあることですが、日本ではそれに頼りすぎている部分があると思うのです。中国の場合は経験に頼らず、作業者には決められた通りにやってもらいたい。そのためにどういったルールをつくるのか。そういった部分を考えました。

----:これまでは手作業のところ、中国工場では自動化しているという面で特徴的な設備はありますか。

小林:日本では目視検査で対応しているものを、全数自動検査しているバルブ検査機などは特徴的です。日本では製作しているサプライヤーのレベルが高く、全数自動検査する必要がなかったというのもあるのですが。最終的にお客様が購入されるのは「テイン」としての製品です。品質を保つためには、全数検査するのが一番だと思います。全数検査すると機械代、人件費などがかかるのですが、後のリスクを回避できると考えれば、全数検査を実施すべきと。

また、検査機のうちの画像処理システムも特徴的ですね。十数年前、および5~6年前にトライしたのですがうまくいかなかった技術を、今回形にしました。2年ほど前に画像処理が得意な企業と共同開発して、やっと完成したものです。何度もプログラムを入れて、試行錯誤して実験しました。日本の工場から中国の工場を見学しに来た人も、「あの機械欲しい」と言ってくれます。

----:設備の安全面も高い水準を目指さねばなりません。

小林:基本的には設備メーカーさんが事故が起こらないようにつくってくれています。例えば、昔はカバーのない機械が多かったのですが、いまはカバーがあり、なおかつドアを閉めないと作動しない、といった設定になっています。「安全を確認しないと動かない」のです。ただ問題は、専用設備、ショックアブソーバー用の設備は、あまり売られていないことです。私たちが、「こういう部品をこういったようにつくりたい」というように頼んで特別につくってもらわなければならない。そうした特殊な部分に関しては、自分たちのノウハウをいかして個別に安全措置をとっています。

----:現在の人員は。

小林:今は私含め日本人スタッフが5人いるのですが、あわせて50人です。最終的には400人弱になる計算になります。

《大日方航》

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