『トワイライト』客車の団体列車、5月から運行開始…スイート・ロイヤルのみに

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『トワイライトエクスプレス』で使用されていた客車は、5月16日からJR西日本エリア内のみ走る団体臨時列車として再スタート。当面は大阪・京都~下関間で運行される。
  • 『トワイライトエクスプレス』で使用されていた客車は、5月16日からJR西日本エリア内のみ走る団体臨時列車として再スタート。当面は大阪・京都~下関間で運行される。
  • 団体臨時列車は客室が「スイート」と「ロイヤル」だけで構成される豪華な編成になる。写真は展望スペース付きの「スイート」。
  • 「スイート」の寝室。ツインベッドが設けられている。

JR西日本は3月23日、大阪~札幌間での運用を終了した『トワイライトエクスプレス』用客車の今後の運行計画を発表した。5月16日からJR西日本エリア内を走る、旅行会社専用の団体臨時列車として運行される。

同社の発表によると、編成は8両に組み直す。編成全体の旅客定員は40人。客室用の客車は大阪方の1~4号車に集中させ、4両全てをA寝台個室「スイート」「ロイヤル」とし、B寝台は設けない。このうち1号車の「スイート」は展望室付き、2~4号車は車両中央部に「スイート」を設けたタイプになる。それ以外の車両は5号車がサロンカー、6号車が食堂車で、7号車の車両は乗務員室などに充てる。下関方の8両目は電源車になる。

当面は「山陽コース」と題し、6月まで運行する。下りは大阪駅を10時頃に発車。琵琶湖を一周してから山陽本線を走り、下関駅には翌日の15時頃に到着する。上りは下関駅を10時頃に発車。山陽本線を経由して琵琶湖を一周し、京都駅に翌日18時頃到着する行程になる。

「山陽コース」の運行日は、大阪発が5月16・23・30日と6月6・13・20・27日、下関発が5月18・25日と6月1・8・15・22・29日。7月以降は「山陽コース」のほか、大阪~(山陽本線・伯備線)~米子~(山陰本線)~下関間を通るコースの設定が予定されている。食事は朝食1回、昼食2回、夕食1回を提供。ディナーは「人気の高いフランス料理をさらにグレードアップ」するとしており、人気のパン職人や菓子職人が協力する。

『トワイライトエクスプレス』は、大阪~札幌間で運行されていた臨時寝台特急。3月12日発の運行を持って廃止された。JR西日本の真鍋精志社長は3月18日の記者会見で、『トワイライトエクスプレス』用の客車は老朽化しているとしつつ、当面は団体専用臨時列車として運転する方針を示していた。

一方、JR西日本は2017年春から、新たに製造する豪華寝台客車編成によるツアー列車『TWILIGHT EXPRESS 瑞風』の運行を開始する予定。同社は今回の団体臨時列車の運行について「地域共生に繋がる取組みとして、車内や停車時での地元特産品の販売や伝統芸能の実演等のお客様へのおもてなしも検討し、『トワイライトエクスプレス瑞風』につなげていきたいと考えています」としており、『瑞風』の運行開始に向けた実証的な検討も行われるとみられる。

《佐藤正樹(キハユニ工房)》

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