【鈴鹿8耐】参戦マシンは市販車ベース…4メーカーそれぞれの特徴とは

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鈴鹿8耐
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8耐に出場するマシンは、1000ccまでの4ストロークエンジンを搭載した市販車(2気筒の場合は1200cc)だ。そう、4輪のSUPER GT(GT300)などと同じように、8耐は市販車ベースのマシンで走るのだ。しかも、その改造範囲は比較的に小さい。したがって、市販車の性能がレースの行方を左右する事にもなる。そこで、各メーカーではレースに勝つためにサーキット仕様に近い市販モデルを発売している。そこにはメーカー間の熾烈な開発競争があるのだ。


◆4メーカー参戦マシンの特徴

各メーカーの代表的なマシンを挙げていこう。まずホンダの『CBR1000RR』。ホンダは長らくV4エンジンのRVFで8耐に参戦し、そのあとは2気筒のVTRを使っていたが、現在はこの直4モデルを使用。市販状態で178ps、電子制御によるハイテクも満載している。

ホンダのライバルのヤマハはフルモデルチェンジの『YZF-R1』で戦いに挑む。歴代のYZF-R1で培われたハンドリング特性の高さはそのままに、いよいよエンジンは200ps仕様となった。市販状態でヘッドライトの位置はダクトの左右に分割されており、8耐でも注目となる。ハイテクノロジーの凝縮は市販の域を超えており、今年の注目度ナンバー1のマシンだ。

スズキ、カワサキはそれぞれ『GSX-R1000』、『ZX-10R』を使用する。最高出力はそれぞれ185psと200.1psというモンスターマシンだ。これら4メーカーのマシンはどれも直列4気筒エンジンで、公道走行用の市販車とはいえレースで勝つことを目的に開発されたマシンと言っても過言ではない。

実際にレースで走る車両はもちろん耐久レースのために改造してある。通常、サーキットを走るマシンは燈火類がないが、8耐はナイトセッションのあるレースなのでヘッドライトやブレーキランプの装着が義務付けられているのが大きな特徴だ。また、前後のタイヤも素早く交換できるように工夫をこらした改造がなされている。さらに、8耐ならではの改造として、暑さ対策のために冷却系の増強が行われる。


◆3人のライダーで走る

耐久レースでは1台のマシンを数人のライダーが交代で走らせる。8耐の場合、2人か3人のどちらかで、チームが自由に決定できるが、もちろんレース前に登録しなければならない。2人の場合、優秀なライダーを揃えやすい、マシンのセッティングを出しやすいといったメリットがある。反面、1人がアクシデントで走行できなくなればリタイヤとなってしまう(1人で連続して走行できる時間が決められているため)。

こう考えると3人体制が優位で安全と思われるが、ライダーはそれぞれ個性が強く、それが優勝を狙うライダーであればなおさらで、3人が納得するマシンのセッティング出しは難しさを極めることになる。乗りにくいマシンで勝てるほど8耐は甘くない。3人で走れば1人あたりの負担は減ると考えるのは早計なのだ。


◆ル・マン式スタートに注目

8耐のスタートといえば、グランドスタンド側に1列に並んだライダーが一斉にピット側のマシンに駆け寄る「ル・マン式スタート」が有名だ。マシンを支えるのはセカンドライダーの役割で、交わされる熱い視線も感動を呼ぶ。

ところでこのル・マン式スタート、その名の通りル・マンで行われていたもので、4輪の24時間レースを描いた映画「栄光のル・マン」でもこのスタートを時間をかけて描写している。しかし、このスタート方法は4輪の場合にシートベルトの装着が疎かになるとの指摘があり、かなり昔に廃止された。2輪でル・マン式スタートを採用していたレースもたくさんあったが、予選順位の重要性が薄れるなどの理由で次々と廃止されている。それだけに8耐でのこの独特のスタートには注目したい。


◆チームの戦略とピットワークが勝負を分ける

耐久レースの大きな魅力がピットワーク。8耐の場合はだいたい1時間に1回、レース中に7~8回のピットインを行い、給油とライダーチェンジ、タイヤ交換を行う。7~8回と簡単に書いたが、実は7回にするか8回にするかは非常に難しく、チームの戦略が試される。燃費走行で7回で済ませるか、燃費を犠牲にしたハイペースで走って8回ピットインするか、難しいところなのだ。

ピットワークのスピードも見どころだ。ライダーがせっかくタイムを縮めても、ピットワークが遅ければ意味が無い。しかし、2輪のピットワーク、特にタイヤ交換は4輪よりもはるかに作業が複雑で、短い時間で行うのは難しい。そのためピットクルーはレースの何ヶ月も前から繰り返しその練習を行う。現在ではタイヤ交換に要する時間は4輪レースと大差ないまでになった。その芸術的ですらある交換作業には注目しておきたい。


◆もっともたくさん走ったチームが勝ち

スプリントレースでは規定の周回数を一番速く走ったライダーが優勝となるのに対して、耐久レースではまず時間が決まっていて、その時間内により多くの周回を重ねたマシンが優勝となる。ただし、8時間の経過とともにレースが終わるわけではない。8時間が経過した時点で最も多くの周回をしているマシン(同じ周回に複数のマシンがいれば、その先頭のマシン)が、次にメインスタンド前に戻ってきてチェッカーフラッグを受けた瞬間に優勝が決定するのだ。レースである以上、やはりそのゴールはチェッカーフラッグを受けなければ締まらないのだ。

このように勝敗の決め方はシンプルなのだが、実際にレースを見ていると周回遅れがたくさんいるから、どのマシンがトップでどのマシンが最下位かなんてわからない。現在は、ゼッケンが発光式になっているから、目を凝らせば判別もつくが、スマホやケータイでWebの情報を見たり、会場にあるサーキットビジョン、リーダーボードあるいは場内実況で順位を確認することは必須だ。
《佐久間光政》

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