ホンダが約16年ぶりに復活させる原付スクーター『タクト』には、シート高をベース車よりも15mm低くした『タクト・ベーシック』が新たに設定されている。
タクトの開発責任者を務める本田技術研究所二輪R&Dセンターの三ツ川誠研究員は「原付スクーター全体で男女比率が6対4となっていて、女性のお客様に何が不安かと聞くと、やはりシートの高さと重さの部分という答えが返ってくる。このため女性の方が安心して使えるということに着目して、シート高を下げたタクト・ベーシックというバリエーションを提案することにした」と開発の背景を語る。
シート高を下げるにあたっては「タクト・ベーシックは、シート下にヘルメットを収納する際の『逃げ』の部分のシート形状を変えることで、シート高を下げた。この結果、ベースのタクトはシート下のラゲッジボックスはフルフェスヘルメットが入るよう20リットルの容量があるが、ベーシックの方は19リットルになっている」という。
その一方で「シートクッションの厚みは一緒なので乗り心地は犠牲になっていない。従来のオプションで設定されているローシートはウレタン部分を薄くすることでシート高を下げるようにしているが、それではずっと座っているとお尻が痛くなっていた。このため今回は用品展開ではなく、ベーシックというタイプとして設定した」と明かした。
またタクト・ベーシックはシート高だけでなく価格もベース車より下げているのも特徴。具体的には「アイドリングストップ機構を外したことや、それによってバッテリーサイズも小さくすることできた。またエンブレム類をシールにするなどで価格を下げた」という。これによりタクト・ベーシックは女性だけでなく幅広い層に訴求していくとしている。
タクトおよびのタクト・ベーシック価格はそれぞれ17万2800円、15万9840円で、発売日はいずれも1月23日となっている。