9日に「東京オートサロン2015 with NAPAC」の会場で2015年シーズンの体制発表を行なったスバルチーム。今年もSUPER GTのGT300クラスで『BRZ』を駆ることになった井口卓人が陣営初のチャンピオン獲得に向け意気込みを語ってくれた。
2012年のインターナショナル鈴鹿1000kmで同チームの第3ドライバーとしてスポット参戦。BRZ初優勝にサポートした。その実績が認められ、これまでチームを引っ張ってきた山野哲也の後を継いでレギュラードライバーに就任。第3戦オートポリスで2位表彰台を獲得、悪天候で大荒れとなった第5戦富士では見事優勝を飾った。
そして今シーズン、チームはさらに勝ちを狙うため大幅な体制変更を決断。エースだった佐々木孝太が勇退し山内英輝が新加入。井口とともに若手コンビでタイトル獲得を目指す。
これまで山野が引っ張り、佐々木に受け継がれてきたスバルのエースという座を引き継ぐことになる井口。だが本人は特に重圧と思っておらず、逆に開幕戦を楽しみにしている様子だった。
「今年はAドライバーとして引っ張っていく重要な任務がありますが、そこまで意識はしていません。山内選手とは昔から一緒に戦ってきたライバルであり仲間なので、ダブルエースのような形でどんな場面でも2人で対応出来るようにしたいです。まずは2人で速いBRZをお見せしたいなという気持ちの方が強いです」
ただチャンピオン獲得に向けて手強いライバルとなりそうなのがFIA-GT3勢。昨年ドライバーズチャンピオンを獲得したグッドスマイルレーシングは今年からメルセデス・ベンツ『SLS』にスイッチ。チームタイトルを勝ち取ったゲイナーとともに開幕戦から強力なパフォーマンスを発揮しそうだ。さらに昨年は最大5台がエントリーした日産『GT-R NISMO GT3』は今年大幅な改良が加えられ戦闘力が向上。陣営もGT500クラスとともにダブルチャンピオン獲得に向け自信を見せている。
これに対して井口は「昨年の反省点を踏まえて車体は大幅に見直して製作中ですし、タイヤがダンロップへ変更されたことも大きな要因になるでしょう。昨年まで課題としていた部分が良くなることによってGT3勢と対等に戦えると思います。まずはクルマとタイヤの合わせこみが重要なので、テストでは重点的に取り組んでいきたいと思っています。それが上手く行けば間違いなくGT3勢には勝てると思います」と自信をみせた。
新体制となったチームで今年はどんな走りを見せてくれるのか、開幕戦からスバルBRZとエースを務める井口の活躍から目が離せない。