ダイハツ『ウェイク』のインテリアは、“あ、こういうのが欲しかった”とユーザーに思わせる造形を目指してデザインしたという。
「どれだけ使い勝手の良いモノにできるか、ストレスなくレジャーや移動に使えるクルマにできるかを真剣にデザインしたかった」とは、ダイハツ工業デザイン部デザイン室主任の芥田幸一さんの弁。
「デザイナーはスタイルに走りがちなところもあるが、そうではなく、軽自動車としてどれだけのポテンシャルを詰め込めるのか。単に空間が大きいというだけではなく、空間を活かすための知恵、工夫を考えて、その機能をしっかり造形しようという意気込みでデザインした」と話す。
芥田さんによると、「デザイン部には、趣味を楽しんでいるデザイナーが多くおり、そういう人たちが実際にレジャーで経験したことなどの声を聞いた」。また、「このクルマの開発をスタートする前に、『タント』や競合他車をキャンプ場に持って行ってどのクルマが一番ポテンシャルが高いのかを乗り比べた」と述べる。
「そういった実体験をもとに、ニーズや自分たちの気付きをしっかり機能として表現することで、“このクルマ、結構わかっているよね”というユーザーの感じ方に昇華させたいと思った。スペックやからくりで見せるのではなく、“あ、こういうのが欲しかったんだよね”と感じてもらえるようにすることが一番やりたかったことだ」という。
「特に荷室に関しては、背が高いだけではなく狭小住宅ではないが、2階建てを3階建てにするなどの工夫をしっかり織り込むなど、そういう積み重ねでインテリアをまとめていった」と語った。