デザインはエレガント、かつダイナミック。他の欧州のクーペと比較してもユニークで独自性がある。それだけでもレクサス『RC』を選択する理由はあるだろう。
インテリアは基本的に『IS』をベースとしている。もともとスポーティなのでスンナリ受け入れられる。スポーティで包まれ感があるコックピットだ。クーペは後席が犠牲になると思われている。しかしRCのリアシートの足元は広く、大人が長時間座っても乗り心地も含めて寛げる。ただしヘッドクリアランスに余裕はないので、長身のパッセンジャーはちと苦しい。
「RC350 Fスポーツ」の後輪操舵を統合制御する「LDH (レクサス・ダイナミック・ハンドリングシステム)」は面白い。クイックで市街地ではよく小回りが効くし、サーキットの様なスポーツ走行ではターンインではスッとノーズを向け、グイグイと回り込む。しかしコーナー後半でも巻き込むような挙動はなく、違和感なく俊敏なスポーツカーの爽快さを楽しめる。最終的には姿勢制御の「VDIM」が介入するので安全性は高いが過信してはいけない。
ブレーキも強化されてガッチリとした制動感があり、安心感は高い。「RC350」は使い慣れた3.5リットルのV6。「2GR」はアクセルを強く開けると豪快なサウンドに包まれ、鋭い加速をする。
HVの「RC300h」はキャビンの静粛性を優先して、サウンドは抑えられている。乗り心地も突き上げが抑えられ、ロングドライブでも疲れない。
■5つ星評価
パッケージング:★★★★
インテリア/居住性:★★★★
パワーソース:★★★★
フットワーク:★★★★★
オススメ度:★★★★★
日下部保雄|AJAJ会長/モータージャーナリスト
大学在学中からモータースポーツに参戦し、卒業後は専門誌をはじめ雑誌等に新型車の試乗レポートやコラムを寄稿。新型車や自動車部品の評価、時事問題の提起などの分野で、TVのモーターランド2、自動車専門誌、一般紙、WEBにおいて活動。またその経験を活かした講演、研修などに携わる。ドラインビングインストラクターとして、安全運転のためのドライビングスクールを主宰するなどの実際面からの安全へのフィードバックも行っている。2006年よりAJAJ会長に就任。