富士重工業が10月24日に発売した新型『レガシィ』は、同社の最上級モデルに相応しい純正ナビが組み合わされた。新車注文時にのみ選べるSDナビゲーションで注目なのは、「STARLINK」と呼ばれるスマートフォン用アプリとの連携も果たすスバル初の新機能も備えたことだ。
このナビは、12スピーカーを組み合わせる「ハーマンカードン オーディオ」とセットで装着されるもので、モニターサイズは今どきの純正ナビとしては控えめな7型ワイド。ピンチイン/アウト操作にも対応するタッチパネル機能付きで、ステアリングスイッチからのコントロールもできる。システムはデザイン化されたパネル内に収まる専用設計となり、周囲をフラットなクリアパネルで覆った仕上がりは高品質さが漂う。
ナビシステムは富士通テン製で、地図データはモニター右上にセットされたマイクロSDカードに収められる。容量は非公開とのことだが、PCによる容量チェックでは15GB前後の容量が確認できたことから、16GB相当の容量を持っていると見られる。地図データはトヨタマップマスター製を採用しているとのことだ。価格はハーマンカードン オーディオとのセットで28万円(税別)。オーディオとの組み合わせを考えれば納得できる価格帯と言えるだろう。
モニターは7型ワイドで、マルチタッチが可能な静電容量タイプを採用した。スマートフォン感覚のフリック操作に対応した他、ピンチイン/アウトによる地図のスケールチェンジを実現。ダブルタップでのズームイン、二点タップによるズームアウトにも対応した。左手でピンチイン/アウトを行うのはツライと思うが、ダブルタップと二点タップは走行中でも楽に行える。また、メニュー表示されたリストのスクロールもフリック操作で対応するなど、タッチパネルの使い勝手を一歩進めたインターフェイスとなっていた。
メニュー構成も一新された。従来は起動してからオーディオや各設定画面に入る流れだったため、操作したい階層にたどり着くまで煩わしさを感じることもあった。今回は「メニュー」を押すと、ナビ/オーディオ/電話/アプリ/設定/情報の6つのカテゴリーから直接入っていける。「どの階層にいてもメニューボタンを押せばこのメニュー画面に戻れることで、使いやすさを実感できるようにした(スバル)」という。
このメニュー画面を見て気付いたのは、背後にスバルのシンボルである『六連星(むつらぼし)』があしらってあること。こんなところにもこのシステムに対する開発陣の思いが伝わってくる気がした。
安全装備として、一時停止などの警告行われるのもポイントだ。一方で、「ITSスポット」に対応するDSRC車載器が組み合わせられないのは、最新型車両に搭載されるナビとは思えない対応ぶり。新規開通する高速道路では電波ビーコンによる交通情報も提供されないという状況があるだけに、バージョンアップによる早急な対応を望みたいところだ。なお、ディーラーオプションナビではDSRC車載器に対応できている。
注目の「STRALINK」はスバル初のインフォテイメント システムで、専用アプリをダウンロードしたスマートフォンをUSBもしくはBluetooth接続して利用する。接続後はカーナビ側にニュースや天気予報、カレンダーといったアプリを表示。アイコンをタップするとそれぞれのサービスが利用できる。現状ではアプリ数があまり多くない印象だが、スバルによれば「今後少しずつ増やしていく」とのことだ。
また、スマートフォンの操作をカーナビ側で行える通信規格『MirrorLink』に対応し、今後の拡張性が期待できる仕様としているのも見逃せない。このSTRALINKは米国でも採用済みで、今後のスバル車に順次採用していく計画だという。