鉄道デザインの国際コンペティション「第12回ブルネル賞」の技術インフラと環境部門で優秀賞に選ばれた旧万世橋駅。その屋上のヤードには、10月から軌道モーターカーやトロッコ車両、ショベルカー、各種処理装置などが置かれている。
ヤードの中央線寄りには、「JR東日本 東京土木技術センター」と記されたモーターカーとトロッコ車両、御茶ノ水駅寄りには発電機やタンク、神田駅寄りには濁水処理装置が配置された。今年6月、このヤードに南武線の車両が留置され乗務員訓練などが行なわれたが、今回の活用について工事関係者はこう話す。
「中央線の御茶ノ水駅付近の耐震補強工事に関連する機材を置いている。水道橋駅から御茶ノ水にかけて、盛土の中径棒状補強工事を実施していて、そのときに発生する注入剤や流出する水分などをバキュームで吸い取って、濁水処理をこのヤード上で行なっている。車両なども資材運搬などに使用するもので、9月末から配置が始まった」
御茶ノ水駅付近耐震補強工事は、神田川と台地側の切土に挟まれた地形上にある線路とその周辺に棒状補強材を打ち、のり枠工や既設構造物と一体化することで大規模地震による崩壊の防止を目指す。工期は4年。棒状補強材は長さ15m、直径20cm、約4000本が使用される。
ヤード上のプラント設備類は、旧万世橋駅の高架橋に整備された商業施設「mAAch ecute(マーチエキュート) 神田万世橋」のデッキから眺められる。