『i3』は、EVの課題を克服すべくゼロスタートで開発。しかも、ブランドの構築や生産工場の設立まで同時に展開した、かつてない取り組みを評価し10点を投じた。特に、CFRPを用いたボディの生産技術については、BMWブランドにおける最新モデルへの展開を示唆するなど、今後への期待を高めている点も評価した。
『デミオ』は、多くの台数が販売されているにもかかわらず存在感がまったくなかった日本メーカーのコンパクトカーの中にあって、その空虚さから抜け出すべくマツダ一連のラインアップの位置づけにとらわれることなく最高品質の獲得を目指した点を評価。その結果、“Made in Japan”の誇りを取り戻す実力を獲得したと思う。
『Cクラス』は総合的な完成度の高さ、『チェロキー』は走りの上質感とデザインの個性を踏まえた価格的な満足感の高さ、『308』は新生代のエンジンへの期待感と走りの上質感を評価し残りの点数を投じた。
BMW『i3』:10点
マツダ『デミオ』:8点
メルセデスベンツ『Cクラスセダン』:5点
ジープ『チェロキー』:1点
プジョー『308』:1点
萩原秀輝 │ 日本自動車ジャーナリスト協会理事
在学中よりレポーターとして活動。同時期からツーリングカー・レースに参戦。連続入賞や優勝の経験。そうした経験を生かし「クルマの走り」と「ドライビン グの理論」について深い洞察力を持つ。主な執筆先は「LE VOLANT」や「driver」など。Webでは「Carview」や「レスポンス」など。また、クルマに対する知識とドライビング理論に基づき、自動車メーカーなどが主催する安全運転教育の講師を務めた経験が数多くある。とくに、日本に初めて実践型安全運転教育を導入した輸入車系のスクールでは、開校時の1989年から現在に至るまでの受講者が累計で10000人を越え、その指導にかかわってきた。