海外ではフォルクスワーゲン『ポロ』やプジョー『208』などと並んで人気が高く、その中でも頭ひとつ抜きんでているフォード『フィエスタ』は、2012年にはBセグメントで世界ナンバーワンの販売台数を誇るという。日本にいるとそんなに勢いがあるようには見えないフォードだけに、それは意外に思う人も多いかも。しかし、それは乗ると納得。見た目も「キネテックデザイン」を採用した“なんちゃってアストンマーティン顔”(?)で、なかなかのイケメン。フィエスタのハンドリングの軽やかさは、欧州車というより日本車に近い感覚。両脇を締めて、くいっくいっと切ったハンドルに対し、リズミカルにクルマが動く感じは、気持ちいい。1リットルとは思えない加速で、上り坂だってひょいひょい。インテリアも洗練されていて、スッキリとしながらも機能性の高いインターフェイス、そしてところどころに施された水色の文字やポイントが、さらりと個性を演出してくれます。ボディカラーのバリエーションも個性的で華やかな色が多いし、トータルバランスはかなり取れたいいクルマ。でも、「乗るといいクルマなんだけど…」と思うのに、なんとなく決め手に欠けるというか、背中を押してくれるものが無いのが弱点。頭も良くて、カッコよくて、スポーツマン…だけど影が薄い男の子…みたいな。でも、何かのタイミングでブレイクするかもしれませんね。■5つ星評価パッケージング:★★★★★インテリア/居住性:★★★★パワーソース:★★★★フットワーク:★★★★オススメ度:★★★★吉田由美|カーライフ・エッセイスト短大時代からモデルを始め、国産メーカーのセーフティドライビングのインストラクター経て2000年に「カーライフ・エッセイスト」に転身。クルマまわりのエトセトラについて独自の視点で自動車雑誌を中心に、テレビ、ラジオ、web、新聞、トークショー、講演会などで広く活動中。3つのブログを展開し、中でも「なんちゃってセレブなカーライフ」は1日約20万アクセスの人気を誇る。