日本最大のクロスカントリーバイクレースJNCCシリーズも、いよいよ後半戦。毎年恒例の山形県月山にある清流をフィールドとする、スプラッシュ月山が今年も開催された。
同レースは、水量や天候などに大きく難易度が左右される。昨年は強烈な水位で、流されてしまいそうな濁流でのハードレースとなってしまったが、今年はちょうどいい水位に。また、晴天に恵まれたことで、夏の余韻を存分に楽しめる1日となったのだった。
熾烈なタイトル争いが続いているJNCCのツイントップ、鈴木健二 VS 渡辺学が今回も勃発。渡辺は出遅れてしまったにも関わらず、1周で追い上げて鈴木に合流。特に月山は、大きな玉石が続く河原を走るため、一つのミスがきっかけでマシンを壊してしまったり、大きく遅れてしまうリスクが大きいフィールドだが、息の合ったサーカスのように二人はバトルを2時間ほどにわたって続けていく。3番手は前戦熊本を制して初優勝を遂げた小林雅裕が、二人を追う展開だ。
後半になると、小林は二人を逃してしまい、単独3番手へ。鈴木も渡辺に遅れてしまう。しかし、ラストラップになって鈴木は怒濤の追い上げを見せ、渡辺を視界に捕らえるまでに。手に汗握る展開は、バックマーカーによって鈴木のラインがふさがれたことで終了。渡辺は今季3勝目、勝ち数では鈴木を上回ったが、ランキング上はまだ鈴木がトップを走る。残りは新潟糸魚川、爺ヶ岳の2戦。
セカンドクラスのAA2は、3年間JNCCから遠のいていた、元チャンピオン澤木千敏が復帰2戦目にして見事に優勝を手にした。こちらも激しいランキング争いが小坂竜也、松尾英之によって繰り広げられているところ、小坂が今戦2位で松尾を少しだけ引き離した形である。