冬場は過酷な道路環境となるロシアでは、人々の憧れはどんな道でも走破してしまうヘビーデューティーなSUVへと向けられる。そのため、フェラーリやランボルギーニなどのスーパーカー市場は、他のヨーロッパの国々ほど大きくない。
実際に、モスクワモーターショー14にはフェラーリやランボルギーニ、マクラーレンといったスーパーカー専門メーカーは出展していない。けれども、唯一フェラーリを発見したのは、ロスゴストラフという企業のブースであった。
このブースでは、レッドメタリックのフェラーリ『カリフォルニア』に、アメリカ映画のようなバニーガールが華を添える。そもそも、ブース全体が金色に輝いていてまぶしい。写真を撮っていると、スタッフが「1枚撮るごとに1ドル支払ってね!(笑)」と冗談を飛ばすあたりもなんだかアメリカっぽい。
成金趣味を地で行くこの「ロスゴストラフ」。その正体はなんとロシア最大の総合保険会社。自社の保険商品をアピールするために出展していた。しかも、同社は1921年に発足した、由緒正しき政府系機関だったというから驚きだ。2008年より民営化されているとはいうものの、あまりのノリの軽さに驚きを隠せなかった。