ヴォルガバスとカマズが自律走行プラットフォームを展示…モスクワモーターショー2018

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ヴォルガバスM2B8(左)と同M2C6
  • ヴォルガバスM2B8(左)と同M2C6
  • ヴォルガバスM2C6(左)と同M2B8
  • ヴォルガバスM2B8
  • ヴォルガバスM2B8
  • ヴォルガバスM2B8
  • ヴォルガバスM2B8
  • ヴォルガバスM2B8
  • ヴォルガバスM2B8(左)と同M2C6

モスクワ国際オートサロン2018(MIAS2018)では、バスメーカーのヴォルガバスと、トラックメーカーのカマズが自律走行プラットフォームを展示した。いずれもコンセプトモデルではあるが、すでに運行実験が実施されているものだ。

ヴォルガバスでは自律走行システム「マトリョーシカ」の開発を進めている。今回はそのなかで、小型プラットフォーム「M2」を使用した『M2B8』、『M2C6』を展示。2車は共通の目的に応じてキャビンあるいはカーゴラックを載せて無人運行される。

M2の走行メカニズムはモジュール化され、リチウムイオン電池とモーター、駆動輪を一体化。これを車体前後に配置し、フロアで繋ぐという構造だ。M2のホイールベースは3000mm、全長は4604mm。全幅は1700mm。重量は1300kgで、最大30km/hでの走行が可能。最大航続距離は130km。走行モジュールは前後とも同一のため4WD、4WSとなり、回転半径は3mという。

人員輸送用シャトルのM2B8は8~12人の乗客を乗せることができ、エアコンも装備。低床のため、スロープを用意すれば車椅子での乗降も容易だ。いっぽうM2C6は容積6立法メートル、重量600kgのコンテナを積載できる。プラットフォームは前後対称形だが、どちら向きでも走れるようにする必要がなければ片方だけにセンサーユニットを搭載すればよく、同社スタッフによれば、実際はこうした使い方が多くなるだろうとのこと。

ヴォルガバスでは2017年からM2B8のテスト走行を続けているとのこと。そしてこれと共通の自律走行システムを、より大きなサイズのシャトルや、有人運転も可能な大型路線バスにも展開する構想があるという。だから名前が「マトリョーシカ」なのだ。

いっぽう大手トラックメーカーのカマズは『SHATL2.0』(シャトル2.0)を出展。基本的に乗用車ショーのため自社ブースは設けず、アウルスブースに隣接したNAMI(ロシア国家科学研究センター)のコーナーに展示された。これはアウルス『セナート』と同様に、シャトル2.0もNAMIが中心となって開発したことを示している。

前後対称形のヴォルガバスM2と異なり、シャトル2.0は一般車両に近いスタイリングを持つ。床下にリチウムイオン電池が敷き詰められ最高速度40km/h、最大航続距離は120km。前輪駆動だが4WSとすることで回転半径を縮小し、終点でのループ転回に必要なスペースを低減している。

シャトル2.0の車体寸法は全長5114mm、全幅2046mm。乗車定員は12人。FIFAワールドカップ会場のひとつとなったカザン・アリーナの周辺でも実証実験がおこなわれている。ちなみに車名の「2.0」とは、2年前のMIASに展示された『SHATL1.0』の進化形ということを示すものだ。

1.0ではNAMI敷地内の閉鎖環境でテスト走行をおこない、2.0ではアリーナ周辺や特区など、もう少しオープンな環境に設けられた専用コースで運行テストを実施しているとのこと。

乗客はあらかじめ決められた停留所だけでなく、降車ボタンを押して任意の場所に停車させることもできる。スタイリングが1.0よりも穏健なものになったのは、より現実的な外観にしつつ、乗客の視界改善のためにガラス面積を拡大したためだとか。

自律走行車や自動運転車といえばアメリカや中国、それにドイツなどの企業が最先端を走っているというイメージがある。しかしロシアでも活発に研究が進められているという事実を実感させるディスプレイだった。

《古庄 速人》

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