三菱自動車の田畑豊常務取締役は7月30日に都内にある本社で開いた決算会見で、日産自動車のカルロス・ゴーン社長が軽自動車の自社生産に言及したことに関して、日産と併売する車種は引き続き三菱が生産を担当するとの見解を示した。
田畑常務は「日産とはNMKVという(軽の)企画、開発を担当する会社を2011年に折半出資でつくっている。NMKVが企画、開発して三菱で生産している車が2車種あるが、三菱の基本的な見解としてはNMKVで企画、開発し、そして日産と三菱で販売している軽については(三菱の)水島工場で生産するという相互了解のもとでスタートしている」と説明。
その上で「そういうことが継続されていくと理解しているので、それに何らかの変更があって(収益に)インパクトを与えるということはないと考えている」と述べた。
田畑常務の今回の発言は、NMKVで企画、開発し両社で併売するモデルの生産は三菱が担当するというスキームは維持されるものの、日産が単独で販売する軽自動車であれば、日産が自社生産する可能性があることを示唆したものとみられる。
日産のゴーン社長は6月24日に横浜市で開いた定時株主総会で、国内生産100万台を今後も維持するかという株主からの質問に対し「国内生産100万台維持は会社として掲げた目標」とした上で、「軽が日本で売れている。日産の工場で生産していきたいと思っている。そうでないと100万台をキープできない」と回答し、軽の自社生産を検討していることを表明している。
日産は現在、三菱自動車と共同開発した軽乗用車を三菱に生産委託するとともに、スズキからも軽をOEM調達している。