もと小田急ロマンスカー、富士急の新型『フジサン特急』8000系を見る[写真蔵]

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小田急ロマンスカー20000形「RSE」を改造した新型『フジサン特急』8000系。7月12日から営業運転を開始する。
  • 小田急ロマンスカー20000形「RSE」を改造した新型『フジサン特急』8000系。7月12日から営業運転を開始する。
  • 先頭部にフジサンキャラ「ガハハフジ」を描いた大月方先頭車の3号車クモロ8051(旧デハ20301)。
  • 1号車のクモロ8001(旧デハ20001)。側面は富士山駅から見て左側。先頭部のフジサンキャラは「フジニッコリ」が採用された。
  • 1号車のクモロ8001(旧デハ20001)。指定席車として使用される。写真は富士山駅から見て右側の側面で、左側に描かれているフジサンキャラとは異なる。
  • 2号車のサロ8101(旧サハ20051)。改造により引戸式のドアが設置されている。写真は富士山駅から見て左側の側面。
  • 2号車のサロ8101(旧サハ20051)。自由席車として使用される。写真は富士山駅から見て右側の側面。
  • 3号車のクモロ8051(旧デハ20301)。1号車のクモロ8001と同様、パンタグラフを搭載している。写真は富士山駅から見て左側の側面。
  • 3号車のクモロ8051(旧デハ20301)。自由席車として使用される。写真は富士山駅から見て右側の側面。
「選挙」で選ばれたさまざまな表情の「フジサン」キャラクターを車体に描いた、富士急行の新型『フジサン特急』8000系。小田急電鉄から譲り受けた特急ロマンスカー20000形「RSE」を3両編成に改造した車両で、7月12日から富士急線大月~河口湖間で運行を開始する。


【編成と主な改造内容】
7両編成の小田急ロマンスカー20000形「RSE」を改造した3両編成で、富士山方から1号車クモロ8001(小田急時代の旧番号デハ20001)・2号車サロ8101(旧番号サハ20051)・3号車クモロ8051(旧番号デハ20301)。全車とも床の高いハイデッカー車で、床面高さは1580mmとなっているが、2号車のサロ8101に新設した車いす対応の座席やトイレ、デッキの部分は、ホームから段差なく出入りできるよう1180mmとなっている。

編成全体の定員は160人で、現行の『フジサン特急』2000系(もとJR東日本165系改造車「パノラマエクスプレスアルプス」)と比べ約4割増えた。

パンタグラフは1・3号車に搭載しており、小田急時代の下枠交差形から富士急6000系(もとJR東日本205系)で使用しているシングルアームタイプのFPS33F形に交換。走行関連機器では下り勾配での抑速ブレーキ使用を考慮して抵抗器の容量をアップしたほか、耐雪ブレーキを新たに設けた。このほか、富士急で標準装備となっているブレーキや制御関係の機器を夜間に保温する回路を設置し、7両編成から3両編成に短縮したため、コンプレッサーなど他の車両に搭載していた機器類の移設も行っている。

サロ8101の一部低床化や機器類の改造は愛知県豊川市の日本車輌製造で実施。車内の改造や車体外装のラッピングは富士急行の鉄道技術センターで行った。改造費用などは明らかにしていない。7両のうち、他の4両については解体されたという。


【外観】
車体には現行の『フジサン特急』2000系と同様、富士山を模したキャラクター(フジサンキャラ)をデザイン。4月25日~5月18日にかけて行った「フジサン特急キャラ選挙」で151山の中から選ばれた44山と、一般公募による14山の計58山が描かれている。ちなみに先頭部に描かれているのは、1号車クモロ8001が「フジニッコリ」、3号車クモロ8051が「フジガハハ」だ。各キャラクターは白地の塗装の上にラッピングしている。


【内装】
1号車は追加料金が必要な座席定員制の展望車両、2・3号車は自由席。一般の座席はモケットも含め小田急時代と同じ回転式リクライニングシートで、シートピッチは1000mmとなっている。各席の枕カバーは、無農薬有機栽培綿「オーガニックコットン」を使い、沿線の富士吉田市の伝統産業「ふじやま織」の技術で織り上げた特製品。描かれているキャラクターの違いで4種類がある。

●1号車 クモロ8001
座席定員制の展望車両で、座席定員は45人。運転室の直後はソファータイプの座席となっており、一角にはKATOの運転台型鉄道模型用コントローラーを設置した子供向け模擬運転台を設けている。

その他の座席は2+1配列と2+2配列の組み合わせ。一人がけシートは小田急20000形に連結されていた2階建て車両の1階席から移設した。2号車寄りの車端部には、ガラスで仕切られた8人分のボックス席(4人分のセミコンパートメント2区画)と、ラウンジ状のロングシートを設けている。

●2号車 サロ8101
自由席車両で、座席定員は55人。3号車寄りの約3分の1は他の部分より床面を下げ、車椅子用スペースとデッキ(出入口)、大型トイレを新設している。車椅子スペースの座席は固定クロスシートで、窓は床面が低い分、他の部分よりも天地が大きい。新設した乗降用ドアは1・3号車のドアと異なり引戸で、開口幅も10mm広く900mmとなっている。

●3号車 クモロ8051
自由席車両で、座席定員は60人。もっとも小田急時代の姿を留めている車両で、全席が回転リクライニングシートとなっている。


【運行】
7月12日から、現行の2000系と合わせ『フジサン特急』として運転を開始する。8000系は平日2往復(大月発10時46分・12時59分、河口湖発12時00分・17時10分)、土休日4往復(大月発8時13分・11時55分・13時50分・15時55分、河口湖発11時03分・12時53分・15時04分・18時13分)の運転だが、7月26日~9月28日の土曜・休日は河口湖発11時03分と大月発11時55分が他の車両による運転となる。

初日の12日は、大月13時50分発『フジサン特急11号』と同15時55分発『フジサン特急13号』、河口湖15時04分発『フジサン特急12号』、同18時13分発『フジサン特急16号』を8000系で運転する。このうち『12・13・16号』は展望車も含め全車自由席扱いとし、営業1番列車の『11号』は1号車を貸切扱い、2・3号車を自由席とする。出発式は13時10分から大月駅で開催。また、7月12日は8000系で運転する『11・12・13・16号』に限り特急料金を値下げし、大人200円・子供100円(都留文科大学前発着は大人100円・子供50円)にする。
《小佐野カゲトシ@RailPlanet》

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