【フォード フィエスタ 試乗】絶妙なサス設定、日本の道に最適な乗り心地…今井優杏

試乗記 輸入車

フォード フィエスタ
  • フォード フィエスタ
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  • フォード フィエスタ S1600(米国仕様)
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のっけからアニキ分であるクルマのハナシで恐縮だけど、同社『フォーカス』がとてもよくできたコンパクトカーだというのを実感したのは、何を隠そう休暇中のハワイでのことだった。

しかもワイキキビーチのあるオアフ島ではなく、ハワイ諸島で最も広大なハワイ島でそれをひしひしと実感したのだ。

ハワイでレンタカーを借りる際、一番お財布に優しい「コンパクトクラス」を選ぶと、フォーカスに当たる確率が高い。そのときは例に漏れず、私もフォーカスを引き当てた。

ハワイと言えば海岸線に続く美しい道路を連想する人々も多いかと思うが、実はハワイは全米ワースト3にカウントされるほど道路状況が劣悪(50万人以上が住む都市の中で)とされ、実に道路の63%が『酷い状態にある』と診断されている。主要な幹線道路でも大きな穴が開いていたりするのは珍しくなく、塗装が荒れているような路面は珍しくない。ワイキキのような都市部ではそれも緩和されているが、田舎に行くに従って路面が酷くなるのは日本もハワイも同じ。

というわけで、「劣悪」とカウントされるハワイの悪路を走った際に、フラフラするギリギリ以前のところで、柔らかくセッティングされたフォーカスのアシからもたらされるドライブフィールは、とにかく快適で感激したのであった。で、今回の論点の『フィエスタ』だ。

エンジンこそ1リットル3気筒、しかしそれを感じさせないトルクフルな加速を持つフィエスタは、ストップ&ゴーの多い日本の道路において、むしろフォーカスよりも引き合いが多いだろう。だが、私が最も感激したのはエンジンではない。先述のハワイの悪路に負けないフォーカスの「素敵セッティングサスペンション」を彷彿とさせるような、絶妙なソフトさを持つアシである。

コーナリングにつれてじわっと優しい減衰が生まれ、心地よいロールとともにしっかりと路面にクルマが吸い付いて行く感覚は、ちょっといじらしいほどの“いい仕事”なのである。欧州ホットハッチのような締まったスポーティーさを求めるなら物足りないかもしれないが、いわゆる生活道路にて使うには最良のしなやかさだと感じた。

もうひとつ、キュンとさせるのはこのちいさなボディにしては意外なほどエッジの立ったエクステリアデザイン。

特徴的なライト周りに加えてフォードらしいクロムメッキパーツを随所に散りばめ、きっちり存在感ある佇まいにしているところなんかに際立った個性を感じるのである。

一見ワル、その実文武両道な優等生。こんな少女漫画的ギャップに、「ベタやなぁ」と思いつつも心魅かれてしまうひとは多いのではないだろうか。

■5つ星評価
パッケージング:★★★★
インテリア/居住性:★★★
パワーソース:★★★★
フットワーク:★★★★★
オススメ度:★★★


今井優杏|モータージャーナリスト
レースクイーン、広告代理店勤務を経て自動車ジャーナリストに転向。WEB、自動車専門誌に寄稿する傍らモータースポーツMCとしての肩書も持ち、サーキットや各種レース、自動車イベント等でMCも務めている。AJAJ(日本自動車ジャーナリスト協会)会員。
《今井 優杏》

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