プジョー『5008』の日本市場への投入は2013年2月だった。本国では2009年にデビューしており、今回のフェイスリフトがやや早めのタイミングであるのも実はそんな事情によるものだ。上部にプジョーレタリングを配した“フローティンググリル”採用の顔立ちは、よりフォーマルに。輸入車を贔屓するつもりはないが、国内での商品性を重視する余り派手なメッキグリル等でいかつさを強調しなければならない日本のミニバンとは違う、控えめでさえあるこの存在感には安心できる。インテリアでは、ベースグレードの「プレミアム」の装備レベルが上がっている。試乗車は上級の「Cielo(シエロ)」だったが、新しくカラー化されたヘッドアップディスプレイやパノラミックガラスルーフなど、装備内容は充実したもの。ドアを開けるとオーソドックスな表皮のファブリックシートにホッとするが、3脚がどれも440mmの幅を確保した2列目シートの座り心地のよさ、床が低く、フレキシブルな実用性をもつラゲッジスペースなど、ミニバンとしての資質の高さはもちろん変わらない。2、3列目のサンシェードももちろん装備。レザーパッケージ、ビデオパッケージのオプション設定も従来どおりだ。乗り味のよさも色褪せていない。専用のオイル封入式ラバーブッシュを採用するというサスペンションにより、“4桁プジョー”の最上級車らしく、ヒタッとなめらかで快適な乗り味なのが魅力。『5008』では諸元上の車重の変更はなく、1.6リットルターボ(156ps/24.5kgm)と6速ATの組み合わせで、動力性能にも不満はない。■5つ星評価パッケージング:★★★★★インテリア/居住性:★★★★★パワーソース:★★★★★フットワーク:★★★★★オススメ度:★★★★★島崎七生人|AJAJ会員/モータージャーナリスト1958年・東京生まれ。大学卒業後、編集制作会社に9年余勤務。雑誌・単行本の編集/執筆/撮影を経験後、1991年よりフリーランスとして活動を開始。以来自動車専門誌ほか、ウェブなどで執筆活動を展開、現在に至る。 便宜上ジャーナリストを名乗るも、一般ユーザーの視点でクルマと接し、レポートするスタンスをとっている。
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