日産から発表された新型『エクストレイル』は、デザインをほとんど変更せずにグローバルで販売されるクルマである。
同社グローバルデザイン本部プロダクトデザイン部デザイン・ダイレクターの秋山芳久さんは、「アメリカでは『ローグ』の名で2万ドルを切る価格で販売される、女性がカジュアルに使うようなクルマだ。ヨーロッパ向けには少々値段が張ることから、カチッとした仕立て。中国はベージュの内装で木目のフィニッシャーにメッキモールが入っている」と仕向地での仕様変更を述べる。
日本は、「雪の中を走るようなタフ・ギアのイメージで、日本のみウォータープルーフ仕様となっている」といい、「日本でのエクストレイルが持っているイメージと、それ以外とでは全く違う。そのくらい日本は特別な市場だ」と話す。
そこで、新型を開発する際は、グローバルとしてモデルを仕上げたのちに、リージョン(各地域)の意見を聞いた。「それぞれのマーケットの期待に応えているかを問いながら仕上げていった。つまり各マーケットにおいても、デザインコンセプトである継承と進化だった。そして、その内容は各マーケットによって違っているのだ」と語った。