ハイブリッドと1.3リットルの間の位置づけの1.5リットル直噴DOHC iーVTEC。実際に“乗りやすさ”がわかると、このエンジンも新型『フィット』のひとつの選択肢だなあ……と実感した。試乗車は「15X・Lパッケージ」のFFモデル。アルミホイール(サイズは標準と同じ15インチ)、インターナビ+リンクアップフリー+ETC車載器ほかいつくかのオプションを装着。車両本体価格が171万1500円の状態だった。試乗を開始し、まず感じたのは動力性能が十分ということ。同じエンジンのRSのMT車に対し、CVTが動力性能を効率的に引き出してくれるため、低速から、ちょっとした加速までまったくストレスがない。1.3リットルとのスペック差は+32ps/+3.7kgーmだが、その意味はある。1.3リットルを日常主体のクルマとすれば、遠出も多くオールマイティに乗りこなすユーザーなら、コチラがいいかもしれない。Lパッケージ専用のシート表皮も、さりげなく上質。目の肥えた大人のユーザーでにもふさわしい。本革ステアリング、LEDヘッドライトなど、有用な装備もつく。さらなる希望として「おっ、しっとりとした乗り心地だね」と乗った瞬間にわかるような実質的な差別化が図られたら、なおいいと思った。■5つ星評価パッケージング:★★★★★インテリア/居住性:★★★★★パワーソース:★★★★★フットワーク:★★★★オススメ度:★★★★★島崎七生人|AJAJ会員/モータージャーナリスト1958年・東京生まれ。大学卒業後、編集制作会社に9年余勤務。雑誌・単行本の編集/執筆/撮影を経験後、1991年よりフリーランスとして活動を開始。以来自動車専門誌ほか、ウェブなどで執筆活動を展開、現在に至る。 便宜上ジャーナリストを名乗るも、一般ユーザーの視点でクルマと接し、レポートするスタンスをとっている。