18日に富士スピードウェイで始まった「WEC第6戦 富士6時間レース」には、LMP1クラスにトヨタから出走の中嶋一貴以外にも7名の日本人ドライバーが参戦している。
全8人中、プロトタイプカーのLMP2クラスに6人が集中しているが、やはり注目度ではハコ車のLMGTE-Proクラスにフェラーリでレギュラー参戦中の小林可夢偉が一貴と双璧か。フェラーリ、アストンマーチン、ポルシェが2台ずつの計6台で争われるLMGTE-Proクラス、この日1回目の練習走行では可夢偉とトニ・バイランダーが駆るAFコルセの#71 フェラーリF458イタリアは6位のタイム(1分41秒088)だった。
「今のコースレイアウトの富士でレースするのは、僕もチームメイトも初めて。“ルーキードライバー”ふたりなんで、まず他のマシンの後ろについて走行ラインを学んでから」と可夢偉が話す状況では、最下位発進も仕方ないだろう。「LMGTE-Proクラスはいつも6時間走って10秒差、みたいなレース。毎周ずっとコンマ1~2秒を争い続けるような、かなり厳しい戦いになっている」とも言う可夢偉は、そういった接戦状況も含めて、初参戦のGTカテゴリーを「今年は楽しめています」。今回の母国戦に関しては「1年に1回の日本でレースできる機会なので(特に)しっかり楽しみたいと思います」という言葉で意欲を語った。2回目の練習走行ではマシントラブルのためか、可夢偉組の#71がノータイムだったことは少々気になるが、明日以降巻き返しを見せてほしいところ。
この日、練習走行1回目と2回目の間に、8名の日本人ドライバーのうち、併催の全日本F3にも参戦している小泉洋史を除く7人が揃っての会見が実施された(可夢偉の談話はその時のもの)。LMP2クラス参戦6名の活躍にも熱視線が注がれるが、国内のレースファン最注目選手は、2007、08年のフォーミュラ・ニッポン(現スーパーフォーミュラ=SF)シリーズチャンピオンで、SUPER GTでも活躍する松田次生だろう。
スポット参戦の今回、松田はKCMGの#47 モーガン・ニッサンで小泉、リチャード・ブラッドレー(今季SF参戦中)とともに戦う。「LMP2はかなりフォーミュラに近い感じのマシンですね。長い距離を走るタイヤなのでグリップレベルはそれほど高くないが、もちがすごくいい印象」とファーストインプレッションを語り、「将来的にはルマン24時間にも出場したいので、今回のWEC富士でいい結果を出していきたい」と続けている。
この他LMP2クラスでは、GAINERインターナショナルの#27 ザイテックZ11SN・ニッサンに平中克幸と植田正幸、デルタ・ADRの#25 オレカ03・ニッサンに中野信治(元F1ドライバー)、そしてOAKレーシングの#45 モーガン・ニッサンに女性選手の井原慶子が乗り組む。移籍2戦目の井原はチームとマシンの仕上がりに手応えを感じており、「クラス表彰台を目指したい」との旨を語った。富士戦のクラス連覇がかかる中野は、「LMP2はとてもコンペティティブなクラス。できる限りのことをして、ベストなレースをしたい」と話している。
WEC第6戦の公式予選は、明日(19日)の13時20分開始予定。決勝6時間レースは20日の11時スタート予定だ。