16日、WEC(世界耐久選手権)に参戦中のトヨタ・レーシングは、10月に富士スピードウェイで開催されるシリーズ第6戦に2カーで出場することを公表。中嶋一貴組は第3戦ルマン24時間以来の登場となる。
全8戦のWECをLMP1クラス車両「TS030 HYBRID」で戦っているトヨタ・レーシングは、9月1日決勝の第4戦ブラジルと9月22日決勝の第5戦アメリカには1カーでの参戦。これは来季用マシン開発も並行して進めていくなかでの判断だったが、ファンにとっては「富士も1台だとすると、一貴選手の出場は?」という不安を生じさせる動きであったことも事実だ。しかしトヨタの母国である日本ラウンドに関しては、大会連覇を目指し、ルマン同様の2カー参戦でアウディ勢に対抗することを陣営は決意した。
昨年の富士戦では1カー参戦で優勝した中嶋一貴/アレックス・ブルツ/ニコラス・ラピエールのトリオ(7号車)がルマン以来約4カ月ぶりの戦線復帰を果たし、第4~5戦にも参戦の今季ルマン総合2位トリオ、アンソニー・デビッドソン/セバスチャン・ブエミ/ステファン・サラザン(8号車)との2カー体制で今季の富士戦に臨む。
この決定については去る7日、富士でのSUPER GT第6戦予選日の際に先行記者会見が開かれている。トヨタのモータースポーツ活動の顔である高橋敬三氏とともに会見に出席した一貴は、「僕は最初からその(出場する)つもりでしたので、今さらどうこうというのはないんですけど」と報道陣を笑わせたのち、昨年自らの活躍で勝利をつかみ獲った母国戦の連覇に向け、次のように意欲を語った。
「第4~5戦にも出たかったですし、ルマンでも(自分たち7号車は4位と)あまり結果が良くなかったので、そのあたりのモヤモヤを富士でスッキリさせたいと思います。今年もまた、去年と同じかそれ以上のいいレースをしたいですね」
なお、第7~8戦への参戦台数については「現段階(会見時)では決まっておりません」との旨が高橋氏から語られている。
アウディ対トヨタの総力戦、そしてLMGTE Proクラスに出場する小林可夢偉(フェラーリ)にも注目が集まるWEC第6戦「富士6時間レース」は、10月18~20日に開催される。