日産自動車は米国カリフォルニア州アーバインで開催している新技術やグローバル商品などの紹介イベント「日産360」で、電気自動車(EV)の『リーフ』をベースに開発した自動運転車を実演公開している。
今回の実演は市街地走行とショッピングセンターに見立てた駐車場への駐車で、市街地走行ではドライバーがハンドルを握らずに、また駐車では車が空きスペースを自力で探して止まる。
筆者が後席に乗車した市街地走行では、飛び出した人の回避や他の車との距離を適度に保つためのハンドル操作、速度調節などが自動で行われた。また、道路標識の制限速度を認識し、そこまで加速する動きも見せた。
周囲の状況などを把握するセンサーは、対象物を認識するためのカメラが5台、障害物や車両などとの距離を測るレーザースキャナーが6台、さらにミリ波レーザー3台という構成になっている。
市街地を想定した走行では1周約1.6kmのコースを7分程度で2周、ごく自然な速度で走行した。日産は先月、2020年までに「革新的な自動運転技術」を複数車種に搭載する方針を発表している。日米欧の大学や研究機関などと共同研究を推進中だ。
実用化には各国の法規などルールづくりが前提となるが、同社の川口均常務執行役員は「米国などでは導入への環境が早めに整う可能性もあり、そうした状況にも対応できるよう開発を加速させたい」と話している。