トヨタ自動車の欧州法人、欧州トヨタは9月4日、『ヤリス ハイブリッド-Rコンセプト』の全容を明らかにした。実車は9月10日、ドイツで開幕するフランクフルトモーターショー13でワールドプレミアを飾る。
同車は、欧州向け『ヴィッツ』の3ドアをベースに、高性能なハイブリッドシステムを搭載したコンセプトカー。ヤリス ハイブリッド-Rコンセプトは、モータースポーツで磨いたトヨタのハイブリッド技術を、ロードカーに反映。WEC(世界耐久選手権)に参戦中の『TS030ハイブリッド』と同様の技術が、パワートレインに採用される。
そのハイブリッドシステムは、エンジンがトヨタモータースポーツの開発した直噴1.6リットル直列4気筒ガソリンターボのGRE(グローバル・レース・エンジン)。エンジン単体で、最大出力300psを引き出す。
これに、2個の強力なモーターを組み合わせた。エンジンは前輪を駆動。後輪の左右にそれぞれモーター(最大出力60ps)を配置し、後輪を駆動する。このモーターは、市販車の『ヤリス ハイブリッド』と共通。モーターは加速時、エンジンをアシスト。減速時にはジェネレーターの機能を果たす。エンジンとモーターを合わせたトータル出力は、420ps。
特徴的なのは、二次電池に代えて、スーパーキャパシタを後席下に搭載した点。ルマンやWECレーサーのTS030ハイブリッドの技術を応用した部分だ。欧州トヨタは、「ヤリス ハイブリッドのニッケル水素バッテリーと比較して、スーパーキャパシタはパワー密度が高く、充放電も素早く行えるメリットがある」と説明している。